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20年ほど前に世界的なベストセラーになったこちらの本、ご存知でしょうか?

金持ち父さん貧乏父さん
ロバート・キヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』(筑摩書房,2000年)

日系アメリカ人の投資家が書いたお金の教育に関する本なのですが、けっこう衝撃的な内容です。

「学校で勉強すればするほど、経済的な困窮に陥る。」

いきなりこんなこと言われたら、私のような学校関係者は少なからず動揺しますよね。

もちろんこれにはちゃんとした説明があります。

 

なぜ学校の勉強が経済的な困難につながるのか。

その理由を一言で言うと、学校では能力の高い労働者を育てようとしているから、です。

「スペシャリストの育成」という学校の暗黙の使命が、将来の経済的困難につながってくるのです。

 

「良い高校に入って、良い大学に行きなさい。」

「一生懸命勉強して、良い職業に就きなさい。」

「就職のために、資格を取りなさい。」

「単純労働は海外労働者や機械に奪われるから、高い専門性を身につけなさい。」

 

これらの忠告というかアドバイスを、皆さんも学校の先生や親御さんから言われたことがあるのではないでしょうか。

一生懸命勉強すれば、弁護士や公認会計士になれるでしょう。

あるいは教授になったり、優れた技術者になったりすることもできるでしょう。

そうすれば、高い収入を得られる安定した職業にも就けることでしょう。

 

うーん、ぜんぜん経済的な困難に陥る気がしませんよね……。

むしろ普通の人より裕福になりそうです。

 

しかし、です。

これだけ一生懸命勉強していい職業についても、彼は誰かに雇われて、誰かの利益のために奉仕し続けることになるのです。

優れた能力を身に着けた労働者は、会社や国家にとって非常に有益です。

会社を発展させてくれるし、国家をうまく運営してくれるし、たくさんの税金を納めてくれます。

彼らは誰のために働いているのか。

彼らががんばればがんばるほど、儲かるのは会社であり国家です。

彼自身ではありません。

 

確かに、ある程度多くの収入は得られるでしょう。

しかし、あくまでも労働の対価であって、発展させてあげた会社も国家も、彼のものにはなりません。

いつまでも雇われの身であり、給与(つまりお金)に支配された生活を送るしかないのです。

 

給与が途切れれば途端に生活が苦しくなるので、何が何でもがんばって仕事を続けなければなりません。

会社にとってこんな好都合なことがあるでしょうか。

優秀な彼の首根っこを捕まえて、一生働かせることができるのです。

 

そして、いずれその給与は途切れます。

退職の日。

その日を境に、彼は高い給与と役職を失います。

一生をささげたその会社に、もう彼の居場所はないのです。

 

彼は、なまじ高給取りだったために、人より裕福な生活をしてきました。

マンションを買い、子どもを私学に通わせ、いい車に乗っていました。

ですが、唯一の頼りだった給与はもうありません。

退職金や年金でやりくりしながら、急に心細くなります。

そして、多くの人が実際に経済的な困窮に直面するでしょう。

 

「勉強すればするほど、経済的な困窮に陥りやすくなる。」

そのしくみが、何となくわかってもらえたでしょうか。

 

冒頭の本の著者であるロバート・キヨサキ氏は、学校の勉強だけでなく、お金の勉強が必要だと言います。

経済的な困窮に陥らないように、私たちはお金の勉強をしなくてはなりません。

具体的には、投資、会計、市場、法律(税法)の4つを勉強することです。

こういったお金の勉強をすることで、資本主義社会に翻弄されない、安定した生活を送ることができるようになります。

資本主義社会に生きる私たちにとって、これらの勉強は必要不可欠なものなのです。

 

大学や専門教育機関で投資、会計、市場、税法を専攻すれば別ですが、高校までの学校教育や、理学系、工学系、文学系などなど、スペシャリスト育成の大学教育では、ほぼ学ぶことができません。

学校で学べない知識ですが、お金の勉強はとても大事です。

冒頭の本などが、お金の勉強を始める良いきっかけになるでしょう。

本の内容については、下記の記事で詳しく紹介しています。

 

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