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良い教師とは

学校の財産は人です。

学校はひとりではできません。

多くのスタッフが集まって、それぞれの良さを自由に発揮する中で、健全な学校が運営されていきます。

スタッフの中には、もちろん事務職員も含まれます。

 

そして、スタッフ一人ひとりの実力が向上すればするほど、ますます学校は良くなっていきます。

学校教育にたずさわる者は、そこで学ぶ子どもたちのために、実力ある教職員をめざして一生涯継続的に成長していく必要があると思います。

 

この記事では、教職員の実力向上のために、私が日ごろ必要だと感じていることを整理してみたいと思います。

教師の実力とは何か

「実力のある教師をめざして」というタイトルで始めましたが、教師の実力とは何でしょうか。

大切なことは次の2点だと思っています。

  • 生徒と向き合う実力
  • 効果的な授業をする実力

 

1点目の「生徒と向き合う実力」は、人間力のようなものです。

生徒の話が聞けること、相談に乗れること、間違いを適切に正せること、身をもって生き方を示せること。

これらは、人間的に未熟なままでは到底できません。

しかし、何らかの訓練によって一朝一夕に身に着くものでもないので、長く教育の現場に身を置きながら、生徒と接する中で身に着けていく必要があります。

 

これに関連して、「保護者と向き合う実力」や「同僚と向き合う実力」も、同じく必要です。

大人と向き合えなければ、子どもにはもっと向き合えないんじゃないかと思います。

そういう意味では、「人と向き合う実力」と言い換えてもいいかもしれません。

 

2点目の「効果的な授業をする実力」とは、生徒の才能や興味を引き出しながら、同時に確実な学力保障もできる教育力です。

 

教師の知識や理解が不足していれば、生徒にわかりやすく教えることはできません。

また、方法を工夫しなければ、ぜんぜん面白くない授業になります。

かといって簡単なこと、面白いことだけを安易にやっていては、生徒は自分の成長を実感できず、とても不安になります。

ですから、学力保障も絶対に必要なことなのです。

 

教師はこれらのことに注意して、効果的な授業を実施なければなりません。

 

以上2点が、教師に求められる実力の大切な点だと思います。

実力をつけるためには

そこで、実力をつけるにはどうすればいいのでしょうか。

 

第1に、毎日の授業や生徒指導に一生懸命取り組むことです。

当たり前のことですが、毎日の仕事を適当にやっていては、決して実力はつきません。

現場で養われる実力が、もっとも大切なものなのです。

ですので、毎日の授業や生徒指導のために、よく時間をかけることです。

いろんなことに思いを巡らしながら、入念に授業の準備をしてください。

 

これに加えて、私は継続的なインプットとアウトプットが必要だと思っています。

 

インプットとは、新しい情報の吸収です。

一番いいのは読書でしょう。

学問に関する専門書でもいいですし、教育方法、生徒指導、時事問題に関する本など、いろんな分野の読書によって私たちは成長することができます。

効果的な読書の方法についてはこちらの記事もぜひご参照ください。

 

読書以外にも、インプットの機会はいろいろあります。

学会やシンポジウム、野外観察会、科学サークルなどへ参加したり、博物館を見学したりすることは、とても有益だと思います。

また、忘れがちですが、同僚との会話も大切なインプットの機会です。

同じ教科の先生とはもちろんのこと、違う教科の先生、校長先生、事務の先生とも、よく対話の機会を持ちましょう。

新しいアイデアや知識をたくさんもらえるはずです。

 

そして、アウトプットもとても重要です。

アウトプットは自分の考えを整理するのに役立ちますし、人に伝えることでフィードバックを得ることもできます。

 

アウトプットの機会は人それぞれいろんなものがあると思います。

例えば、私のようにホームページに記事を書くこともアウトプットのひとつです。

同僚に自分の考えを話すのもいいでしょう。

 

また、学会などで授業実践の報告をしたり、論文を書いて学術雑誌に投稿したりすることも考えられます。

本を書く人もいるかもしれません。

 

これらがアウトプットになります。

ここまでのまとめ

以上をシンプルにまとめると、実力をつけるための3つの要素はこうなります。

  • 入念な授業の準備
  • インプット
  • アウトプット

 

この3つを継続的にやっていくならば、教師としての実力は着実に向上していくはずです。

学校全体での取り組み

私が勤務する学校では、学校全体の取り組みとして、インプットとアウトプットの機会を設けています。

その名も「ブッククラブ」です。

 

年に何回かしか機会がないのですが、自分が読んだ本のレポートを持ち寄り、レポートを発表し合ってその内容についてディスカッションする、というものです。

 

人数は、数人から多くても10人程度で、発表の形式もとくに決まっていません。

レポートを配って各自が読む、という場合もありますし、レポートを口頭で説明する場合もあります。

 

ブッククラブでは、読書というインプットと、レポート作成というアウトプットが事前に必要になります。

そして、当日はメンバーの発表やコメントがインプットとなり、自分の発表やディスカッションがアウトプットになります。

 

このように、インプットとアウトプットをバランスよく行う場が「ブッククラブ」で、本校の教師の実力向上に大きく役立っています。

できることとできないことを分別する

最後にひとこと。

 

教師はやることが多いです。

入念な授業準備、インプット、アウトプットの重要性は分かっていても、あれもこれもやることはできません。

 

私はいつも、「自分にできることとできないことは何か」を考えています。

 

人生は有限です。

自分に与えられている時間には限りがあります。

ですから、できることとできないことがあるのです。

 

人にはあらゆる可能性があるので、やろうと思えば何でもできます。

日本人は恵まれた環境にいるので、日本人に限って言えば、たぶんそうです。

 

でも、何をやるにも時間は必要です。

やろうとすることにそれ相応の時間をかけなければなりません。

 

何かをやろうと思った時、それにはどれだけ時間がかかるのか、その時間を投資するだけの計画が自分にはあるのか、その点だけはよく考えなくてはなりません。

 

もし、必要な時間を投資できないとしたら、それは私にとって「できないこと」なのです。

ここの分別は、本当に大切です。

 

時間的に本来はできないことなのに、能力的な可能性だけを見て「できる」と思っていると、「やりたいことがいっぱいあるのにぜんぜん進まない!」というフラストレーションの嵐になってしまいます。

できることとできないことを見極めましょう。

 

私は、授業準備、インプットとしての読書、アウトプットとしてのホームページ作成には、それ相応の時間をかける計画を立てています。

その代わり、他のことにはあまり手を付けないようにしています。

 

例えば、趣味の写真。

学生時代に大きな賞をもらったことをきっかけに、写真用のホームページを作ったり、展示会を企画したり、いろんなことをやってきました。

でも、今はそれに投資する時間がありません。

計画を立てれば時間を作ることはできるでしょう。

ですが、私は自分のキャパシティーを知っていて、ある意味で戦略的に、写真からは手を引きました。

 

学校の仕事にも、同じことが当てはまります。

具体的には挙げませんが、学校の仕事の中には、「自分だったらこんな風にやりたいな」という欲が出てくる仕事がけっこうあります。

そして実際、能力的にも、ある程度できるんだろうと思います。

 

ですが、もしそれを自分がやると、他のことができなくなってしまうのです。

キャパシティーオーバーです。

こういうことは、人に任せなければなりません。

私にとって「できないこと」だからです。

 

そして、人に任せてみると、多くの場合その人はもっとうまくやってくれるのです。

この感覚を、ぜひとも身につけなければなりません。

 

結局、冒頭で書いたとおり、学校の財産は人なのです。

同僚がいなければ、決してよい学校はつくれません。

 

個々人が実力のある教師をめざしつつ、その上で、学校共同体全体でよい学校づくりをめざしていきたいです。

 

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