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今日は思い出話を少し。

ぼくは大学院で博士号を取得した後、

フリーランスになるまでは研究所や大学、官庁で研究者として働いてきました。

 

 

そんな芸術とは無縁そうな理系人間なんですが、

実は大学院に在籍中、

本気で写真家を目指したことがあったんです。

(意外ですよね・・・。)

 

 

もともと絵や写真が好きだったのですが、

写真を本格的に撮り始めたのは大学3年生の時でした。

一緒に屋久島に旅行に行った友達から、

「なべちゃん(←筆者のこと)、センスあるね。一眼レフで撮ってみたら?」と言われ、

調子に乗ったのがきっかけでした。

 

 

それから間もなく、アルバイトで貯めたお金でお気に入りの一眼レフカメラ(NikonのNew FM2)を買い、

一生懸命撮り始めたんですね。

もう楽しくて仕方ありませんでした。

 

 

当時はカメラと言えばフィルムカメラです。

New FM2は機械式のマニュアルカメラでした。

手のひらに包むと冷んやりとする金属製のボディで、

適度な重さが手によく馴染みます。

 

 

手動でフィルムを巻き上げ、

ファインダー越しに被写体を見つめ、

レンズの鏡筒を回してフォーカスし、

シャッターを切る。

「カシャン」と心地よい音がして、金属製のシャッターとミラーが作動します。

 

 

うん。思い出しただけでも、嬉しくなります。

さすがに今はもう持ってないのですが、

とってもいいカメラでした。

他にも何台か使いましたけど、New FM2は一番の思い出です。

 

 

 

それでですね。

大学院では研究と並行して、

作品制作と展示会を精力的に行いました。

そして、26歳(博士課程の2年生)の時、

何と『富士フォトサロン新人賞』という立派な賞をいただきました。

 

 

当時、若手写真家の登竜門とされていたのはリクルート主催の「ひとつぼ展」(1992〜2008年)と富士フィルム主催の「富士フォトサロン新人賞」(1999〜2009年)で、

これらの受賞者はメディアからの注目度も高かったです。

 

「ひとつぼ展」URL→ http://rcc.recruit.co.jp/gg/competition/hitotsubo

 

「富士フォトサロン新人賞」URL→ https://compe.japandesign.ne.jp/ap/01/pho/fuji06/

 

 

新人賞ということで、賞金30万円と、

副賞としてリバーサルフィルム100本がもらえました。

当時としてはかなりのものです。

(リバーサルフィルムとはポジフィルムのことです。ネガよりも高価で、1本1000〜1350円もする・・・。)

 

 

そして、「コマーシャルフォト」という雑誌の取材があったり、

受賞作品展(巡回展)が東京、大阪、福岡のそれぞれの富士フィルムフォトサロンで行われたりしました。

 

掲載された雑誌のページ→ http://watanabekats.com/wp-content/uploads/2018/09/commercial-photo-2006-watanabe-1800.jpg

 

雑誌の表紙カバー→ http://watanabekats.com/wp-content/uploads/2018/09/commercial-photo-2006-cover-1800.jpg

 

 

こんな調子でかなり実績ができたので、

写真の道に進もうと本気で考えるようになったのです。

写真集を出す計画や、

優れた写真家に師事する計画を立てました。

 

 

しかし・・・。

 

 

 

写真家の道は、結局やめたんです。

なんとなく、しっくりこなくて。

 

 

はっきりとした理由はなく、

自分でもなぜやめたのかうまく説明できません。

 

 

研究者というステータスが惜しかったわけでもありません。

それくらい写真が好きだったので。

また、自分に才能がないとも思いませんでした。

いろんな人の写真を観てきたけど、

「これは勝てないな」と落ち込むほどの天才とは出会ったことがなかったからです。

(アンセル・アダムスの凄さに気づいたのはもう少し後でした。)

 

 

そんな大好きな写真の道をやめてしまったわけですが、

今ぼくは、やめたことを全然後悔していません。

賞をいただいた26歳の時から今まで、

一度も「写真家になっていれば良かった」と思ったことはありません。

それどころか、やめて正解だったと確信しています。

 

 

自分でもうまく説明できないような状況だったのに、

なぜぼくは、正しい道を選択できたのか。

自分で言うのもなんですが、

なぜこんなに優れた選択ができたのか。

 

 

それは、「何となくしっくりこない」と言う気持ち、

つまり「感覚」とか「直感」を大切にしたからだと思っています。

自分が本当にやりたいことって、

ぼくよりもぼくの体がよく知ってるんですね。

(ここで言う体とは、心、脳、潜在意識などを含めた「体」です。自分の意識的なコントロールが及ばない領域のこと。)

 

 

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学でのスピーチを取り上げた記事、『心や直感はすでに知っている」でも書いたのですが、

自分以上に自分の心や潜在意識が、

ぼくの本当にやりたいことを知っているんです。

 

『心や直感はすでに知っている』

記事URL→ http://watanabekats.com/people/kokoro-ya-tyokkan-ha

 

 

そして、その「心の声」に耳を傾けることで、

正しい決断を下すことができる。

 

 

 

あなたは自分の心の声、聞いていますか?

心の声は、ささやき声です。

繊細な揺らぎです。

正直言って、微妙すぎてよくわからないことも多いのです。

 

 

でも、その心の声に耳を傾けることで、

理屈でわからなくても、

正しい判断ができるようになります。

 

 

道に迷った時、ぜひ参考にしてください。

 

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