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最近の健康ブームから、世間には「あれは食べてもいい」「これは食べてはいけない」などの食事に関するアドバイスがたくさん飛び交っています。

 

例えば、「パンと牛乳は絶対に食べてはいけない」「発酵食品は体にいい」「玉子の食べ過ぎはいけない」「精製された白い砂糖は麻薬並みに悪い/黒糖はいい」「肉よりも野菜中心の食事がいい」「加工食品はいけない」などなど、挙げ始めたら切りがありません。

 

ちなみに私は、歯医者さんのアドバイスに従い、甘いもの(砂糖の入ったもの)を極力食べないようにしています。

歯医者さんのアドバイスについては以下の記事に詳しく書いてありますので、こちらもぜひご参照ください。

 

さて、今もっとも注目されている食習慣のアドバイスと言えば、「糖質制限」ではないでしょうか。

ごはんやパンといった炭水化物中心のこれまでの食習慣を見直し(というか真っ向から否定し)、健康をとり戻そうとするこのアドバイス。

例えば以下のような書籍で詳しく紹介されています。

 

今回は『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』をもとに、糖質制限によって健康を回復した人たちが実践している食習慣について、具体的に「食べていいもの悪いもの」を見ていきたいと思います。

糖質制限とは

具体的な「食べていいもの悪いもの」の前に、糖質制限とはそもそも何を制限することなのか、まずはそこを確認しておきたいと思います。

 

「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いた成分のことを言います。

糖質の内訳は、次の表のようにまとめることができます。

「糖質」とは、炭水化物から食物繊維を除いた成分のこと
『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』(夏井睦,2017)より改変.

 

表の通り、糖質は「単糖」「オリゴ糖」「多糖」「糖アルコール」の4つのグループに分けられます。

オリゴ糖はさらに「二糖類」と「三糖類以上」に分けられ、「単糖」と「二糖類」を合わせたものを「糖類」と呼んでいます。

 

「糖質」と一口に言ってもこれだけの種類があるわけです。

しかし、ここに挙げた全ての糖質が制限の対象ではありません。

制限の対象となるのは、食べることで血糖値が急激に上昇するものに限られます。

なぜなら血糖値の上昇が、肥満を始めとする健康上の諸問題の元凶だからです。

 

そこで、血糖値の上昇のしやすさを先ほどの表に書き加えてみたいと思います。

ちなみに血糖値とは、血中のブドウ糖濃度のことです。

血糖値の上昇のしやすさ
『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』(夏井睦,2017)をもとに作成.

 

表を見ると、血糖値の上昇が特に大きい糖質は、ブドウ糖、ショ糖、デンプンの3つであることがわかります。

ですから、この3つが制限の対象となる糖質ということになります。

 

ここで、ショ糖とは砂糖のことです。

デンプンは加熱処理したものに限り血糖値が大きく上昇します。

 

以上をまとめますと、糖質制限とは、「ブドウ糖」「ショ糖(砂糖)」「加熱デンプン」を制限すること、と要約することができます。

食べていいもの

では、糖質制限の観点から、「食べていいもの」について整理していきたいと思います。

糖質制限の観点から見た「食べていいもの」
『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』(夏井睦,2017)をもとに作成.

肉類・魚介類

まず、肉類と魚介類は、全般的に食べていいものです。

というか、むしろ良質なたんぱく源として積極的に食べるべきものです。

 

ただし、いわゆる肉(筋肉の部分)のみではなく、できるだけいろんな部位を食べるように心がける必要があります(『GO WILD:野生の体を取り戻せ!』(レイティ&マニング,2014)より)。

ホルモンを食べたり、小魚など頭から丸ごと食べられるものを食べたり。

 

なぜなら、動物を丸ごと食べればバランスよく栄養が摂れるのですが、筋肉の部分だけだとどうしても栄養が偏ってしまうからです。

内臓や頭に、重要な栄養素が含まれているそうです。

 

ちなみに、動物を丸ごと食べていれば、野菜に含まれる栄養も摂取できる、というのがレイティ&マニング(2014)の見解です。

 

例えば、人は牛を食べますが、牛は草を食べます。

ですので、牛を丸ごと食べれば、原理的には牛が食べた草の栄養も、人は摂取できることになります。

 

牛を丸ごと食べることはなかなか難しいですが、内臓や血などを食べる食文化もありますので、不可能ではないかもしれません。

しかし、牛を丸ごと食べる必要はあまりなく、もっと小型の動物を食べればいいわけです。

小魚や小型のエビ・カニ、貝類、昆虫、鶏卵や魚卵などは、簡単に丸ごと食べられる動物です。

脂質類

脂質類も、積極的に食べるべきものです。

脂質は肥満の原因になりそうですが、脂質が単独で脂肪に変化することはありませんので、たくさん食べても肥満になることはありません。

 

のちほど触れますが、肥満の原因は糖質です。

脂質を食べるときに糖質も一緒に食べてしまうことが多いため、「脂質で太る」という誤解を与えてしまいます。

 

むしろ脂質は大切なエネルギー源として、積極的に体に必要なものです。

野菜類・果物類

野菜は全般的に食べていいものに分類されそうですが、実はそうでもありません。

もともとデンプン(糖質)が多い野菜は控えるべきですし、品種改良によって糖質が増えている野菜もあります。

 

積極的に食べていいものは、葉物野菜全般と、ブロッコリー、大豆、もやし、キノコ類、海藻類です。

 

特にキノコ類と海藻類は、食物繊維の観点からも栄養素の観点からも重要な食材です。

ぜひ積極的に食べるようにしましょう。

 

果物類には果糖が多く含まれており、後述するように基本的には控えた方がよい食べ物ですが、アボカドだけは例外です。

ナッツ類

糖質が少ないナッツ類は、積極的に食べていいものです。

栄養価も高いです。

アルコール類

アルコール類は米やイモなどの糖質から作られますので、基本的には糖質を含む食品です。

しかし蒸留酒であれば、アルコール成分だけを抽出していますので、飲んでも糖質摂取になりません。

 

そのほか、糖質オフのビールやフルボディの赤ワインなど、糖質を含まない一部の醸造酒は飲んでいいものです。

食べてはいけないもの

次に、糖質制限の観点から見た「食べてはいけないもの」について整理したいと思います。

糖質制限の観点から見た「食べてはいけないもの」
『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】』(夏井睦,2017)をもとに作成.

穀物

穀物は全般的に食べてはいけないものです。

米や小麦にはブドウ糖が多く含まれていますし、トウモロコシにはデンプンが多く含まれています。

 

デンプンは加熱されて初めて糖質になるので、生の状態(非加熱デンプン)であれば食べても大丈夫です。

その代わり消化も吸収もされません。

 

しかし、トウモロコシを生で食べることは少なく、多くの場合、ゆでたり、スナック菓子にしたり、スープにしたりして食べています。

ですので、実際にはほとんどの場合、吸収されやすい「加熱デンプン」になっています。

砂糖

砂糖はショ糖そのものです。

穀物と並んで、もっとも食べてはいけないものの1つです。

 

ケーキなどのお菓子類や清涼飲料水などは分かりやすいですが、砂糖は多くの料理で味付けに使われていますので、知らないうちに食べていることが多いです。

焼肉のタレ、すき焼き、煮物など、砂糖の多い料理は控えた方が賢明です。

脂質類

脂質類には糖質は含まれませんので、糖質制限の観点から見れば脂質は食べていいものです。

しかし、ここではもう少し視野を広げて、「トランス脂肪酸を制限する」という観点を追加しています。

 

トランス脂肪酸は、おもに植物性油脂を加熱することで生成される脂肪酸で、人間にとって分解不可能かつ有害な脂肪酸です。

家庭でよく使われているサラダ油をはじめ、マーガリン、ショートニング、マヨネーズなど、おなじみの食品に多く含まれています。

 

ショートニングはやわらかいパンを安価で作るときに使われる油脂です。

コンビニなどでパンの成分表を見ると、ほとんどの商品に入っていることがわかります。

 

そして、サラダ油に入っているということは、多くの揚げ物にも入っているということです。

唐揚げ、フライドチキン、コロッケ、てんぷら、とんかつなど、よく食べますよね。

これらの食品にも注意が必要です。

 

トランス脂肪酸が入っていない油、例えばオリーブ油とかゴマ油などで揚げられているものを選ぶのがベストですが、デリカテッセンや外食ではなかなか難しいと思います。

 

そして、ポップコーンやドーナツ、ポテトチップスなど、油で加工したお菓子にもトランス脂肪酸は多く含まれています。

 

これらの食品は、トランス脂肪酸の摂取を制限する観点から、できる限り避けたほうがよいです。

野菜類

野菜類にそれほど悪いものはないのですが、糖質が多く含まれている野菜は食べるのを控えた方がいいでしょう。

具体的には、レンコンやニンジンなどの根菜類、玉ねぎ、トマト、イモ類などです。

 

品種改良された甘いトマトには多くのショ糖が含まれていますし、根菜類やイモ類にはデンプンが多く含まれています。

中でもジャガイモには極めて多くのデンプンが含まれていますので、ジャガイモを使った料理には特に注意が必要です。

果物類

果物類には果糖が多く含まれています。

果糖は血糖上昇にはあまり貢献しないのですが、すみやかに皮下脂肪に変わってしまうため、肥満防止の観点から控えた方が良いでしょう。

 

糖質制限の基本が血糖上昇を抑えることにありますので、果糖はそういった意味では制限対象ではありません。

ナッツ類

ナッツ類は全般的に食べていいものですが、クリは糖質が多いので控えた方が良いでしょう。

アルコール類

醸造酒には糖質が多く含まれているので、基本的に飲んではいけないものです。

ビールや日本酒、甘いお酒、ライトボディの赤ワイン、甘口の白ワインなどに糖質が多いです。

糖質制限で期待される効果

それでは次に、糖質制限で期待される効果を具体的に挙げてみたいと思います。

個人差はあると思いますが、糖質制限をすると、一般に次のような症状の解消・改善が見られるそうです。

 

  • 肥満
  • 不眠症、鬱(うつ)
  • 高血圧、高脂血症
  • 肝機能の不調
  • 歯周病、虫歯
  • 肌のさまざまな不調(思春期のニキビ、脂漏性(しろうせい)皮膚炎、アトピー性皮膚炎など)
  • 大量の汗、汗の嫌な臭い
  • 花粉症
  • 食後の眠気、頭の疲れ(頭がすっきりしない)
  • 子どもの集中力不足、子どもがキレる

 

現代人を悩ませる症状の多くが、糖質制限によって解消・改善されることが、経験的にも医学的にもわかってきています。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

 

この記事では、糖質制限の観点から「食べていいもの」と「食べてはいけないもの」を整理し、食品ごとに簡単に説明してきました。

 

「お米を食べてはいけない」などと言われると、けっこうショックが大きいですよね。

賛否両論あると思います。

 

しかし、少なくとも現代の私たちの食生活が「糖質の摂りすぎ」という問題を抱えていることは確かだと思います。

この記事が日ごろの食生活を見直すきっかけとなれば幸いです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

参考文献

 

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