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学術研究をしている人はもちろんですが、教育活動の中でも、しばしば『Nature』や『Science』といった学術論文を読みたくなる時があります。

しかし、大学等の研究機関に籍を置いていない限り、気軽に読むことはできません。

 

全文を閲覧するには雑誌の出版元とライセンス契約を結ぶか、記事ごとの単価を支払って購入しないといけないのですが、1つの論文を購入するのにだいたい3,000円前後の金額がかかります。

ですから、「ちょっと読みたいな」という気軽な感覚ではなかなか購入できないのが現状です。

 

そこで今回は、国立国会図書館の複写サービスを使って、学術論文のコピーを入手する方法を紹介します。

 

※注意:国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDLーOPAC)は2017年12月に一旦サービスを終了し、2018年1月から「国立国会図書館オンライン」としてリニューアルされる予定です。

国立国会図書館の複写サービス

国立国会図書館には、日本で出版されたすべての図書と学術研究に有用な膨大な資料類が収められています。

洋雑誌は日本で出版された図書ではありませんが、国際的に流通している雑誌のほとんどはここで複写することができます。

 

注意事項として、複写は研究用途での利用のみ認められています。

また、基本的に個人で登録して利用することになります(郵送での手続きの場合、登録には1週間ほどかかります)。

まずはこちらの登録利用者制度のページから利用者登録を行ってください。

 

この記事では国内在住の人が遠隔複写サービスを利用する際の方法を紹介したいと思います。

遠隔複写サービスの料金の一例は以下の通りです。(紙の資料からのコピーの場合)

  • 白黒A4サイズ:税抜24円/枚
  • カラーA3サイズまで:税抜130円/枚

これらの合計金額に発送事務手数料(税抜150円)と送料が加算されます。

 

詳しくはこちらの国立国会図書館複写サービスのページをご覧ください。

『Nature』の記事を複写する

それでは、遠隔複写サービスで『Nature』の記事を複写する手順を紹介します。

利用者登録がお済みでない方は、こちらの登録利用者制度のページから利用者登録を行ってください。

 

まず、NDL-OPACという蔵書検索のページへアクセスします。

 

ログイン画面が表示されますので、登録利用者IDを使ってログインしてください。

 

ログインすると「簡易検索」の画面が表示されますので、ページ上部のタブから「詳細検索」を開きます。

そうすると、次のような画面が表示されます。

国立国会図書館NDL-OPAC論文検索

いくつか入力欄がありますが、必要な情報は「タイトル」と「出版者」だけです。

『Nature』に掲載されている論文を検索するには、以下のように入力します。

  • 【タイトル】Nature : international weekly journal of science.
  • 【出版者】Springer Nature Asia-Pacific

 

入力したら、検索ボタンをクリックします。

 

クリックすると次のような「書誌情報」のページになるので、「全ての資料を表示する」をクリックします。

国立国会図書館NDL-OPAC論文検索(書誌情報)

 

次に「所蔵一覧」のページが表示されるので、複写を希望する論文の出版年をプルダウンメニューから選択します。

国立国会図書館NDL-OPAC論文検索(所蔵一覧)

 

例えば「2016」を選択すると、2016年に出版された『Nature』の巻号年月日のリストが表示されます。

 

リストが表示されたら、複写を希望する巻号の前部にある「複写」リンクをクリックします。

すると、次に「複写申込」のページに移動します。

 

複写サービスのご利用について」の内容を読み、同意できる場合は「同意する」を選択します。

「使用目的」は「調査研究の用に供するため」のみ選択できます。

 

ページをスクロールしていくと「論文名」「著者名」「掲載ページ」などを入力するスペースがありますので、必要事項を入力します。

国立国会図書館NDL-OPAC論文検索(論文名の入力)

 

入力の形式は特に気にする必要はなく、複写をしてくれる図書館のスタッフが明確に分かるように記載すれば大丈夫です。

複写サービスは基本的にモノクロ印刷になりますので、カラー印刷を希望する場合は、備考欄にその旨を記載します。

 

以上を入力し、「登録」ボタンをクリックすると、複写の申込みが完了します。

 

書誌情報を「マイリスト」に登録しておけば、次回からもっと簡単に『Nature』論文を検索できます。

また、複写の申込み状況は「申込状況・利用者情報」メニューから確認できます。

『Science』の記事を複写する

次に、遠隔複写サービスで『Science』の記事を複写する手順を紹介します。

 

基本的には『Nature』の場合と同じ手順です。

違うのは、「詳細検索」のページで入力する内容です。

 

『Science』に掲載されている論文を検索するには、以下のように入力します。

  • 【請求番号】Z53-A48

そうすると、「書誌情報」のページが表示されます。

その他の手順は『Nature』論文の複写方法と同じですので、上記をご参照ください。

 

「請求番号」とは、国立国会図書館が書誌情報ごとに割り振っている整理番号のことです。

『Science』の例のように「請求番号」で検索できればたいへん便利なのですが、知っていないと入力できないため、初めて検索する雑誌には使えない方法です。

 

どの雑誌にも使える万能の検索方法は、やはり「タイトル」と「出版者」から検索する方法です。

『Science』の場合は、以下のように入力します。

  • 【タイトル】Science
  • 【出版者】American Association for the Advancement of Science

 

しかし上記のように入力しても、学術雑誌の『Science』は特定されず、「検索結果一覧」というページに多数の候補が表示されます。

ですので、その一覧の中から自分が探している『Science』を見つけなければなりません。

 

2017年11月現在、上記の条件で検索すると、「検索結果一覧」の34番~36番までが学術雑誌の『Science』であることがわかります。

ただし、最新号まで継続して所蔵しているのは36番の『Science』だけで、例えば34番のデジタルデータの『Science』では、最近の巻号の閲覧・複写ができません。

 

このように、『Science』の場合は検索手順が少し複雑になるので、「タイトル」+「出版者」での検索ではなく、「請求番号」での検索がおすすめです。

おわりに

国立国会図書館の複写サービスは学術論文を読みたいときにたいへん便利です。

『Nature』や『Science』以外でも、様々な論文の複写が可能ですので、ぜひお試しください。

 

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