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この記事では、中学2年の理科で取り上げられる寒冷前線モデルの実験について紹介しています。

まずはこちらの動画で実験の様子をご覧ください。

実際にやってみると、意外とうまくいかないこの実験。

身近な材料でできますので、ぜひ挑戦してみてください。

前線って目に見えない

中学校の理科では、2年生で「前線」について学びます。

気象分野における前線とは、温度の異なる2つの気団がぶつかった時にできる両者の境界面と、地表面とが接する線のことを言います。

「寒冷前線」「温暖前線」「停滞前線」「梅雨前線」のように、それぞれの特徴を表す言葉との組み合せで使われることが一般的です。

 

さて、私たちは普段、「前線を見る」ということができません。

「気団の境界面」などと言われても、空気に色が付いているわけでもないので、その存在を目で確認することはできないです。

また、仮に空気に色が付いていたとしても、前線の広がりは日本列島の大きさに匹敵するくらい広大なものなので、地上から空を眺めたくらいではとても視界に収まりきりません。

気象衛星の画像などを利用して俯瞰(ふかん)的に捉えなければ、全体像を把握することが困難な現象なのです。

 

このような現象を、どうやって中学生に理解してもらえばよいのでしょうか。

例えば気象衛星の画像を連続的に見せれば、雲の動きを通して間接的に前線を見せることは可能です。

また、教科書の図や映像などを利用すれば、模式的な前線の構造を理解することもできます。

 

これらに加えて、私はモデル実験を行うことがとても有効だと考えています。

温度の異なる2つ空気のかたまりがぶつかった時、すぐには混じり合わずに境界面が形成されるということが、実験をすることで体験的に理解できるからです。

実験の方法

というわけで、前線モデルをつくる簡単な実験を紹介したいと思います。

まずは次の写真を見ながら、必要な材料をそろえて行ってください。

空気を使った前線のモデル実験
空気を使った前線のモデル実験(実験のセット)

必要なものは以下の通りです。

  • 大きめの透明な水槽
  • ウレタンマット(100円ショップのもの)
  • 線香
  • 線香をのせるお皿
  • 氷(保冷剤)
  • サランラップ

 

ホームセンターや100円ショップに行けば、材料は簡単にそろうと思います。

次に、実験の流れです。

  1. 水槽の底にウレタンマットを敷きます。底を全部埋めるのではなく、写真のように、半分より少し広い部分を埋めるようにします。写真ではちょうどいい大きさにウレタンマットをカットして、2枚重ねています。
  2. 水槽の真ん中を仕切るためのウレタンマットを用意します。これもちょうどいい大きさにカットします。
  3. ウレタンマットを敷いていない側の水槽の底に保冷剤を置き、水を少し入れて氷水にします。写真では左側になります。
  4. 真ん中の仕切りを固定して、保冷剤を置いた側を線香の煙で満たします。火をつけた線香をお皿に乗せて水槽の底に置き、水槽をサランラップで覆うとうまく行きます。
  5. 線香の煙が十分にたまったら、真ん中の仕切りをそっと外します。すると、左側の冷たい空気と右側の室温の空気とがぶつかり、その境界に前線面ができます。透明な空気どうしがぶつかるだけでは両者の境界を見ることができないので、片方の空気を線香の煙で見えるようにしています。

実験の結果

この方法で実験した結果、冒頭の動画のようになりました。

もう一度じっくり見てみてください。

煙を十分に満たさないと、くっきりとした前線面を観察することができません。

実験には慣れが必要ですが、工夫しながらやればすぐにできるようになります。

 

むしろ、こういうちょっと難しい実験の方が、生徒にとっては深く考えるきっかけになって面白いと思います。

おすすめの実験です。

 

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