近頃はオンラインで学ぶ学校や塾が増えてきています。あるインターナショナルスクールの話ですが、授業は100%インターネットの講義で、有名な講師やネイティブ講師の授業を聞かせ、高い進学率を誇っているそうです。また、教員免許状取得のための教員養成講座や、放送大学などもオンライン学習を基本としていますよね。

意外なところでは、美術系の大学。ぼくが勤務校で進路指導をしていた時に、経済的な理由でなかなか大学進学に踏み切れない美術系志望の生徒がいたのですが、その子のために学費の安い大学を探してみると、武蔵野美術大学の通信教育課程というのがあったんです。武蔵野美術大学って、かの有名なムサビです。美大の雄。

通信教育課程でも、ちゃんと卒業すれば一般の4年生大学卒業と同じ「学士」の学位が授与されるんですね。ムサビの学士号がもらえるんです。しかも学費はとても安い。入学までに20万円程度用意すれば、あとは入学後のバイトで何とかなるレベルです。スクーリングもあります(一部の単位は実際に学校に通って取得する制度)。自己管理がちょっと心配ですけど、経済的な理由で大学を諦めるよりは遥かに良い選択肢だと思いました。

そんなこんなで、ぼくは通信教育とかオンライン学習の効果について、とても興味を持ったのです。効果があるなら、こんなにいい選択肢はないではないかと。かく言うぼく自身も、ビジネスに関してはオンラインスクールで学んでいるので、効果がないとは思っていません。優れた学習環境になり得ることは確かです。

なのでぼく自身の経験も踏まえて、この記事では、「最高のオンライン学習環境とは何か?」について考えてみたいと思います。

オンライン学習はすぐれた教育環境の一つ

オンライン学習が優れた教育環境の一つであることは確かですが、当然メリットとデメリットがあります。

例えばメリットとして「通学時間の短縮」が挙げられます。利便性ですね。もし「最高の学校」が家から遠いところ(県外とか海外とか)にあったら、いくら通いたくても現実的にけっこうたいへんです。不便さから入学を断念することもあるでしょう。

また、「繰り返し自分のペースで学べる」ことも大きなメリットです。オンライン学習なら、他人に遠慮して質問できないとか、ペースについていけないとか、そういうことが比較的少なくなります。わからなければ何度も視聴すればいいし、ペースが早いと感じたら、自分で視聴ペースを調節すればいいからです。

一方デメリットとしては、「人とのコミュニケーション(対話)の不足」があります。初等・中等教育でよく心配される点ですね。大学生や大人の学習ならコミュニケーション不足はさほど問題になりません。でも、例えば冒頭のインターナショナルスクールのように、中学生や高校生がずっと画面の前に座って講義を聞いているだけだったらどうでしょう。先生や友達との生きた交流がないし、ともすると完全なる受け身の学習になりかねません。情緒が完成する前の段階では、やはりちょっと心配になります。

それから、通学を要しない場合「自己管理の難しさ」もデメリットとしてあるでしょう。学校に通っていれば毎朝同じ時間に起きて登校し、チャイムがなったら授業が始まり、サボっていれば怒られ、宿題も毎回チェックされます。しかし、家庭などでオンライン学習をしていると、やるかやらないかは完全に自分次第です。やらなくてもいつの間にか時間が過ぎていきます。なので、自己管理できるかどうかがオンライン学習のキーポイントになってきます。

これらのデメリットを踏まえた上で、「最高のオンライン学習環境」を考えてみたいと思います。

最高のオンライン学習環境とは?

ぼくが考える最高のオンライン学習環境とは、以下の4点が揃っていることです。

  1. ゴールとマイルストーンが明確
  2. タスク化と進捗管理ができている
  3. 定期的なフィードバックがある
  4. スクーリングがある(できれば)

順番に説明していきますね。

(1)ゴールとマイルストーンが明確

オンライン学習には、明確なゴールとマイルストーンが必要です。マイルストーンというのは中間目標のことです。「1マイルごとに置いておく石」の意味。

そしてこれらは、達成したかどうかがはっきりとわかるように設定しなければなりません。0か100か、あるいは数値で設定するといいでしょう。

ぼくが通ったビジネススクールの例を挙げます。

  • ゴール:年収1億円の起業家になること
  • マイルストーン:コンテンツ1の消化、コンテンツ2の消化、コンテンツ3の消化、実践1の行動、実践2の行動、・・・など

なれたかどうか、あるいはやったかどうかが一目瞭然にわかる形のゴールとマイルストーンが必要です。

ただし、ここで注意したいのが、「自分でコントロールできない結果を目標にしないこと」。例えば、「2018年の12月までにブログからの収入を10万円にする」という目標を立てたとします。超具体的ですよね。でも、よく考えてみると、ブログからの収入って自分ではコントロールできないんです。Google から高く評価されればアクセスが伸びるかもしれませんし、読者の心に響けば成約率が高くなるかもしれません。しかし、そこにはあまりにも多くの不確定要素(他者に依存している要素)があります。はっきり言って、自分ではどうしようもない。

なので、上記の目標を「自分でコントロールできる結果」に変えてみましょう。例えばこうです。「2018年の12月までに、ブログの記事を100記事書く。」これなら、結果は完全にあなた次第です。行動すれば、100記事書けます。このように、自分の行動によって確実にコントロールできる結果をゴールやマイルストーンにしましょう。

それからもう一つ。なぜ「明確な」ゴールやマイルストーンが必要かというと、モチベーションを保つために極めて有効だからです。オンライン学習では、必ず「モチベーションの低下」という壁にぶち当たります。なかなか結果が出ない。他のことが気になる。そして、何のためにやっているのかわからなくなってしまう。そんな時、すぐにゴールが思い出せると強いのです。「1億円起業家になるためにやっているんだ」でもいいし、「好きな美術を仕事にするためにやっているんだ」でもいいです。ぼくの場合、「食べていけるだけの収入を自分自身で得るんだ」というのが明確なゴールでした。だからモチベーションが下がった時にもがんばれました。

(2)タスク化と進捗管理ができている

ゴールとマイルストーンというのは、ちょっと遠い目標なんですよね。1年先とか、1ヶ月先とか。だからこれらが明確でも、「今日何をするか」がわかっていないと行動には移せません。そこで必要になるのが、タスク化と進捗管理

優れたオンライン学習環境というのは、ゴールから逆算してマイルストーンを設置し、マイルストーンから逆算して日々のタスクを設置します。そして、日々のタスクがちゃんと消化されるように進捗管理をします。

具体的にぼくが受講したオンラインスクールではどうだったかというと、「毎日のやることメニュー」がメールで送られてくるんですね。例えばこんな具合です。

「マイルストーンはこれこれです。」

「で、今週はこんな風に進めていきます。」

「では、今日はこれをやってください。」

こんな感じで、マイルストーンごとの「進捗管理メール」に登録すると、毎日メールが送られてくるんです。もちろんペースの調節は可能ですので、置いていかれそうになったら「進捗管理メール」のペースを落としてもいいし、一度やめて、もう一度登録し直すこともできます。

このような細かいケアがあるので、「今日何をするか」が明確になり、行動が容易になります。

(3)定期的なフィードバックがある

そして、学習効果を測定・評価するために、定期的なフィードバックが必要です。つまり、定期試験ですね。試験をやって、学習の成果が出ているかどうか、実力が向上しているかどうかを評価します。

フィードバックでもし評価が低ければ、学習の仕方が間違っている可能性が高いので修正する必要があります。そのままやり続けてもゴールにはたどり着けません。ゴールにたどり着けないということは、せっかくの努力と時間が無駄になるということです。これが一番悲惨ですよね。だから、努力と時間を無駄にしないためにも、フィードバック(試験による評価)は絶対に必要です。なお、オンライン学習の場合、試験もウェブ上で行うことになります。

それから、フィードバックのもう一つの形として、相談・質問できる環境が整っていることも重要です。行き詰まった時、道に迷った時、本当にこれで正しいのかどうかを気軽に聞ける環境が整っていることで、挫折せずに済むことがあります。もし間違っていたら修正してもらえますしね。モヤモヤは人にぶつけて解決しましょう。相談・質問できる環境は、挫折防止のためのセーフティネットです。

(4)スクーリングがある(できれば)

最後に、スクーリング。オンライン学習なので、基本的には全ての学習をウェブ上で行うことが前提かもしれません。でも、できればスクーリングもあったほうが良いです。1ヶ月に1度、2ヶ月に1度でもいいので、たまに学校などに行き、先生や他の学習者と交流することで、モチベーションの維持が飛躍的に容易になります。しかも、オンラインでは伝わりにくいような貴重な情報(ニュアンス、コツなど)も得られます。気分転換にもなります。そして互いの顔が見えるので、安心感にも繋がります。

人と人が会うのがスクーリング。やっぱり、オンライン学習と言えども人と人との交流があるに越したことはありません。できる限りスクーリングの機会を作ることが望ましいです。

ちなみに、スクーリング時に学校で何を行うかと言うと、基本的に「進捗管理のみ」です。一般の学校では、ノウハウを教えたり進捗管理したりするのを学校でやっています。授業をして、宿題を出して、試験をして、これら全部を学校でやっているんですね。しかしオンライン学習では、ノウハウ提供はオンラインですでに終わっています。いえ、ノウハウ提供だけでなく、進捗管理やフィードバックも一通り終わっていますね。だから、補完的な役割が強いわけです。

スクーリングの時間は、基本的には進捗管理に当てます。「ちゃんと進んでいるね。このまま行けば大丈夫だよ。」と、これが確認できればOKなのです。自信を持って、またオンライン学習に戻って行けますから。それがスクーリングの目的です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。以上、最高のオンライン学習環境とは何かについて、ぼくの考えをご紹介しました。

オンライン学習は非常に有益だと思います。うまく利用すれば、経済的理由から大学進学を諦めようとしている人でも、4年生大学と同等以上の十分な学習効果を期待することができます。積極的に検討してみてください。

何か疑問点などありましたら、下記の問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。学校での進路指導の経験もありますので、何かしらお役に立てるのではないかと思います。

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