「どんな時代が来たとしても、人を大切にして生きなきゃいかん。」

おばあちゃんに言われた格言というわけではありませんが、最近強く思うことです。

資源の3要素とパワーバランス

ご存知の通り「資源の3要素」は、「人」「モノ」「カネ」ですね。そして情報化社会になり、4つ目の資源として「情報」が現れました。

「人」「モノ」「カネ」「情報」。

 

パワーバランスは、「人」<「モノ」<「カネ」(<「情報」)となります。群れ社会のように「人」が多ければ強かった時代から、鉄器や銃器など「モノ」がパワーを持つ時代になり、やがて「モノ」の価値がお金に替えられるようになって、「お金」が力の象徴となりました。

今や、お金さえあればほとんどのものが手に入る時代。「お金」=「パワー」という図式は、多くの人が同意するのではないでしょうか。

第4の資源「情報」

ここで、4番目の資源である「情報」については、まだ「お金」<「情報」というパワーバランスが確立していません。「情報がどうやってお金になるの?」という感じです。

人はモノで(ある程度)支配できます。お金があればモノが買えます。では、情報があればお金が手に入るのでしょうか?

今日の本題ではありませんが、答えは「Yes」で、それを知っている多くの企業やビジネスマンが「情報」に投資しています。有名なのは Google という会社。検索エンジンで入手できる膨大な情報をお金に替えています。

 

そして、多数の未来予測関連の書籍やメディアが、将来は AI(人工知能)の発達によって「情報に支配される世界」になると予想しています。

インターネットの向こう側に情報インフラ(大量の情報)を持っている者が強いわけですが、将来的には人よりも AI(人工知能)の方が大量の情報を持つようになるので、AI の方が強くなる。つまり、人工知能に人間が支配されるようになる。こういう世界観です。

だから、世の中の資本家やスタートアップ企業は、AI に投資するわけです。「これからは AI だ。AI の開発をしなければ負け組になる。」そういう流れです。仮想通貨(デジタル通貨、暗号通貨)への投資も、同じ流れです。

資源のパワーバランスが崩れる可能性

さて、本題。

将来本当に「お金」<「情報」という時代になるのかどうか、ぼくは大いに疑問を持っています。

いえ、もう少し正確にいうと、「人」<「モノ」<「カネ」(<「情報」)のパワーバランスが、どこかで崩れるのではないかと思っているのです。

根拠は2つ。

1つ目は、いろんなところで「人への回帰」が見られること。2つ目は、食料危機が現実的になってきていること。それぞれ見ていきたいと思います。

「やっぱり人が大事」という考えが戻ってきた

「お金があればほとんどすべてのものが手に入る」という考え方は、実は少し古い考え方です。人の幸せはお金で買えないことが、誰にでもわかるようになってきました。

近年、多くの会社で「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が聞かれるようになりましたね。仕事中毒にならずに、適度に私生活を大切にしましょう、という動きです。仕事ばかりであまりにも家庭をおろそかにする人が増えてきたからです。子供たちの情緒不安定も、親が「人を大切にしない」子育てをしてきたからだと多くの人が悟りました。

また、ビジネスの形態も、人を大切にするサービスへと戻りつつあります。1000円カットの理容室が流行ったときは、お金に価値がありました。安くて良いカットをしてくれるなら、それが一番よかったのです。しかし、今は違います。リラックスできる雰囲気や人を大切にするカウンセリングが重要視されるようになりました。参考までに、現在全国展開中の美容室「DEARS(ディアーズ)」のリンクを見てみてください。

美容室 Dears→ https://dears-salon.com/

 

カウンセリングに1時間もかける高単価の美容室が、現在人気急上昇中なのです。サービスの質が変わりました。

また、消費者が商品を選ぶときの基準も変わってきました。質が良くて安いものが良いのであれば、ユニクロが最高です。あるいは Amazon のサイトに行けばいくらでも安くて良いものが手に入ります。でも、それでは満足しない消費者が増えてきました。そういう人たちは何にお金を払うのか。それは、「ストーリー」です。

ストーリー付きの商品にお金を払う時代

その「モノ」にどういうストーリーがあるのか、が大事なのです。例えば、糸井重里さんの『ほぼ日刊イトイ新聞』で紹介されている商品。これらの商品には一つ一つ作った人のこだわりがあります。言わば、生産者の顔が見える「ストーリー付きの商品」なのです。

ほぼ日刊イトイ新聞→ https://www.1101.com/home.html

 

あるいは、Motherhouse(マザーハウス)というファッションブランド。元々はバッグの会社だったのですが、その創業ストーリーが多くの人の共感を呼んで、今では一流のファッションブランドへと成長しました。

マザーハウス→ https://www.mother-house.jp/aboutus/

 

創業者の山口絵理子さんは、バングラディッシュの貧困を根本から改善しようと、単身途上国へ。多くの困難がありながらも、現地の材料である「ジュート」を使い、現地の労働者によって、先進国の高級百貨店に並ぶようなバッグを生産することに成功しました。そのストーリーに共感する人が、Motherhouse のバッグを愛用するのです。もちろん品質も最上級のものですが。

TESLA 自動車のストーリー

実は、こういう例は本当にたくさんあるのです。有名なところでは、アメリカの TESLA(テスラ)自動車。

TESLA 自動車→ https://www.tesla.com/jp/

 

非常にデザイン性の高い電気自動車を生産している会社ですが、TESLA の車を買う人は、自動車の性能だけにお金を払っているわけではありません。創業者イーロン・マスク氏の壮大な Vision に投資しているのです。

イーロン・マスク氏は、電気自動車の普及によって地球環境を守ろうとし、もう一つの会社 SpaceX 社の宇宙開発事業によって、地球資源が無くなった後の人類生存の方策を本気で考えているのです。

いえ、考えだけなら持っている人も多いでしょうが、彼は実際に行動に移しました。「NASA がやらないなら俺がやる」と。この心意気。彼の生き様に共感する人が、ベンツではなくわざわざ TESLA を買うのです。

「やっぱり人が大事」は、実は成功法則の鉄板

上記のような世の中の動きから「やっぱり人が大事」という考えに行き着くわけですが、実は、すでに多くの「成功法則・自己啓発本」が同様のことを言っています

有名な『7つの習慣』のステーブン・R・コヴィー氏も、人の大切さを強調している1人です。これに関しては以下の関連記事が参考になります。

【関連記事】黄金の卵を産むガチョウを殺してしまった農夫の話:目標達成と能力・資源

食料危機が現実になると、モノとカネの価値が逆転する

「人」<「モノ」<「カネ」(<「情報」)のパワーバランスが、どこかで崩れるのではないかとぼくが思っている根拠その2。食糧危機が現実になると、現在当たり前と考えられている「モノとカネの価値」が逆転する

でも、長くなってしまったので、これについては別の記事で書くことにしますね。下記のリンクを参照してください。

【続きの記事】食糧危機が現実になると、モノとカネの価値が逆転する:資源の有限と無限

まとめ

このような理由から、「どんな時代が来たとしても、人を大切にして生きなきゃいかん。」と思う今日この頃です。

企業が AI へ投資することは大事なことですし、将来「情報がお金以上の価値を持つようになる」というのも、ある程度真実でしょう。ぼくもインターネットの向こう側に情報インフラを構築することを、仕事の上で非常に重要視しています。

けど、それがすべてじゃない。

「資源の3要素(+情報)」のパワーバランスは崩れる可能性があるということ、そして実際にその傾向が見えてきているということを、いつも忘れないようにすべきです。

ある意味、ぼくは「2つの資源しかない」と言いたいです。「人」と「人以外」の2つ。この先、第4、第5の資源が現れようとも、それは「人以外」の資源です。

そして、ぼくたちは人です。だから2つの資源のうち「人」に最も価値があるというのは、当たり前のことなのです。世の中が変わろうとも、一時的に人の価値観が変わろうとも、必ず「やっぱり人が大事」という価値観に戻ってくる。そう信じています。

聖書の創世記が言うように、人はあらゆる野の獣に名をつけてもなお、自分に合うパートナーを見つけることができませんでした(創世記2章18-25節)。人には人が必要です。人を大切にする人が、一番幸せになるのです。

だから、

「どんな時代が来たとしても、人を大切にして生きなきゃいかん。」

参考文献

スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』