以前の記事で、「人」「モノ」「カネ」という3つの資源のパワーバランスがどこかで崩れるかもしれない、というお話をしました。

つまり、

現在:「人」<「モノ」<「カネ」(「カネ」が最強!)

将来:「人」>「モノ」>「カネ」(やっぱり「人」が大事!)

になるという話です。

【以前の記事】情報社会:どんな時代が来たとしても、人を大切にして生きなきゃいかん。

 

ぼくがなぜこのように考えるかというと、1つの理由は、食糧危機が現実のこととなれば「モノ」と「カネ」の価値が逆転するからです。

「モノ」<「カネ」のパワーバランスが成り立つのは、モノが有り余っている時だけ

「人」「モノ」「カネ」の3資源の中で、一般に最も力があると考えられているのは「カネ」です

お金があればあらゆる「モノ」が買えます。

今や「モノ」の価値は「カネ」に置き換えられるようになりました。

金持ち=強い。金持ち国家=強い国家。

 

でもこのパワーバランスは、「モノ」が「カネ」で買える、という前提の元に成り立っているのです。

「モノ」が有り余っている状況なら、この前提でいいでしょう。

しかし、いつまでも「モノ」は有り余っている状況なのでしょうか。

食料危機という現実的な問題

「気候変動によって、近い将来世界的な食糧難になる」という話を聞いたことがあるでしょうか?

地球の平均気温が産業革命以前と比べて2℃上昇してしまうと、世界各地の気温上昇が止められなくなり、その結果、多くの農業国で現在の商品作物が育たなくなってしまうのです。

その様子をリアルに描いた作品として、『インターステラー』という映画が有名です。

『インターステラー』の世界では、すでに小麦、米、大豆などが育たなくなっていて、乾燥しきった国土でトウモロコシだけが何とか栽培されています。

しかしそのトウモロコシも、近い将来育たなくなってしまう・・・。

 

これは映画の中だけの話ではありません。

小麦や米などの現在の商品作物は、収穫量を最大化するために単一の優良品種のみを栽培しています。

なので、気候変動の影響でその「単一の優良品種」が育たなくなってしまうと、ほとんど全ての農地で小麦や米が収穫できなくなるのです

 

まさに世界的な飢饉。

食料の供給を輸入に頼っている日本などの国は、ひとたまりもありません。

米の値段は高騰するでしょう

野菜も同様で、大根やキャベツが買えなくなる。

 

こんな世界になれば、「カネ」にどれほどの力があるというのでしょう。

「カネ」でお腹は満たせない

ならば、「モノ」である食料そのものに大きな価値が置かれることになります。

これが、「モノ」<「カネ」のパワーバランスが逆転すると考える理由。

 

将来、どこかの時点で食料不足になる可能性が高い。

だからこれは、十分現実に起こり得ることなのです。

 

良識ある国家や研究者によって、商品作物の品種を分散させたり、野生種のタネを保存したりという取り組みが進められていますが、世界的な食糧難を乗り切れるほどの対策は未だできていません。

「カネ」よりも「モノ」に価値があるというのは論理的にも正しい

ここまでは、食料危機という一つのイベントを例に挙げて、「モノ」の価値を説明しました。

しかし、仮に食糧危機という状況がなかったとしても、本質的に「モノ」の方が「カネ」よりも価値があるのです

 

理由は、「モノ」は有限だからです。

食料はわかりやすい例でしたが、食料以外のどんな「モノ」でも、無限ではありません。

量に限りがあります。

 

石油も、金(ゴールド)も、レアアース金属も、森も、土も、水も、空気も、みんな限りがあります。

採り尽くせばなくなるし、汚せば使い物にならなくなります

これらが無くなれば、車、家電製品、スマートフォン、服、調理器具など、様々なモノが作れなくなります。

だから、本質的に「モノ」は有限なのです。

いくらでもあるわけではない。

 

それに対して、「カネ」は無限です

いくらでも発行できます。

いえ、発行するのに紙とインクと金属が必要なので、厳密には無限ではありません。

しかし、仮想通貨(暗号通貨、デジタル通貨)が利用されるようになれば、やがてわずかな電力でほぼ無限に「カネ」を生み出すことができるようになるでしょう。

あるいは、「カネ」の価値は「信用」なので、「モノ」に対する「カネ」の価値は無限大から無限小まで変化し得ることになります。

 

「カネ」は「モノ」と違って実体がないものです

だから、本質的に無限に生み出すことができる。

 

有限な「モノ」と無限な「カネ」。

どちらが手に入りにくいかというと、圧倒的に、有限な「モノ」

価値があるのは「モノ」の方なのです。

最後に(ちょっと長めの補足)

ここからは、3つの資源の価値に関連してちょっと長めの補足です。

資産に関する話。

あなたは資産を分散させていますか?

上記の話の通り、「カネ」というのは実体のないものです。

でも、確かにパワーはある

パワーはあるが、その価値は幻想。これが「カネ」です。

 

だから、あなたがもし全ての資産を「カネ」で持っているとすると、価値の変動が起きた時に、結構なダメージがある

「人」「モノ」「カネ」。

あなたは自分の資産をうまく分散させているでしょうか?

 

「人」を大切にしていますか? 困った時に助けになるのは、やっぱり「人」です。

「モノ」の資産を持っていますか? 土地とか、金(ゴールド)とか、投資物件とか、美術品とか、宝石とか。ちなみに、自分が住んでいる家や自動車は資産になりません。

「カネ」の資産も大事です。つまりは金融資産。もっとも使いやすく、融通が効くし、増やすことが比較的容易です。現金は利息を生み、株式などの金融資産は配当を生み、仮想通貨は未来への投資になります。

見落としがちな「モノ」の資産

この中で見落としがちなのが、「モノ」で資産を持つことじゃないかなと思っています。

金融資産以外に、「モノ」で資産を持つこと。

土地とか、金(ゴールド)とか、その他の鉱物資源とか。

 

個人的には山でも買って、果樹や野菜や鶏を半野生で育てておきたいなー、なんて考えています。

川があって、魚がいればなおいいですね。

自給自足できそうな山。

本当に価値のあるものって、こういうものなんじゃないでしょうか。

これが「モノ」で資産を持つことのイメージ。

金融資産を買う時にも「モノ」を意識する

また、金融資産である株式を買うときにも、「モノ」を意識した方がいいと思っています。(ぼくはプロの投資家ではないので、参考程度に聞いてください。投資は自己責任でお願いします。)

ぼくの考えでは、基本的に「無限に生み出せるもの」を売っている会社は、資産価値の変動が起きやすいはずです。

典型的なのは IT 系の企業。

製品や情報に価値がなくなったと見なされれば、その会社の資産価値はガクッと減ります。

 

例えばですが、ほぼ最強と思われてきた Microsoft 社も、もしクラウドベースのオフィスソフトや OS が安価で提供されるようになれば、製品の価値は急激に下がります。

つまり、会社の資産価値が減る。

これは、Microsoft 社の株式が急落することとほぼイコールです。

 

じゃあどんな会社が強いかというと、例えば「不動産を持っている会社」です。

不動産は「モノ」ですね。

価値の変動を受けにくい「モノ」。

世界各地に店舗を持っていて、その不動産が自己資産となっている会社は、とても安定しています

 

土地の値段だってある程度は変動するでしょうが、世界の地価が同時に下がるような状況にでもならない限り、全体の資産価値は大きなダメージを受けません。

そして、ビジネスで大きな失敗があっても、売る資産(土地)をたくさん持っているので、ある程度までは何とかリカバリーできます。

一発で瀕死の重傷を負うリスクが極めて少ないのです。

 

以上の理由で、「モノ」の資産を持っている会社への投資が、金融資産を持つ上で重要になってくると思っています。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。