パソコンやスマートフォンが普及して、本を読む子どもが減ってきました。

皆さんの周りの子どもたちはいかがでしょうか?

 

スマホでも本でも、文字を読むという点では一緒のように思えますが、情報の読み取り方が大きく異なります。

スマホで情報を読み取る場合は、基本的に「検索」だからです。

Googleに代表される「検索システム」を使って目的の情報を探し出し、拾い読みをするわけです。

じっくり読まなくても、知りたい部分の答えさえわかればそれでOK。

子どもたちがスマホで何か情報を得るとき、ほとんどの場合、「情報のつまみ食い」をしているのです。

 

「情報のつまみ食い」とはこんな感じです。

まず、検索システムから良さそうなWEBページを開き、ざっと眺めてキーワードを探します。

お目当のキーワードが目に止まったら、その前後だけパッと読みます。

読んでわからなければ、別のページに行きます。

そこでもざっと眺めるだけ。

 

これがスマホを見ている時の人間の状態です。

本を読むのとはだいぶ違いますよね。

本を読むときは、ある程度じっくりと読みます。

頭を使って文脈を理解し、全体の流れの中で著者の主張を読み取ります。

 

こういう違いがありますので、スマホが普及した現代でも、子どもたちにとって読書は必要不可欠なことと言えます。

中高生からぜひ多読の習慣を

スマホにどっぷりと依存した人になるか、必要に応じてスマホを上手に利用できる人になるか、その分かれ目が中学生くらいです。

ぼくは自分の勤務校の生徒(中高生)に読書をしてもらいたくて、ある一冊の本をみんなに配りました。

 

堀紘一さんの『自分を変える読書術』という本です。

堀紘一『自分を変える読書術』(SB新書,2015年)
堀紘一『自分を変える読書術』(SB新書,2015年)

 

この本は、ドリームインキュベータ社の会長である堀紘一さんが自分の読書術を紹介したものです。

ぼく自身、この本がきっかけで多読に目覚めましたし、紹介した生徒の何人かも同じく感化されて多読の習慣が身につきました。

内容を少しご紹介したいと思います。

 

 

ぼくたちはよく、難関大学の出身者を「高学歴者」と呼び、彼らのことを「よく仕事ができる頭のいい人」だと思いがちですよね。

ですが、著者の堀紘一さんは、「高学歴者=仕事のできる人」ではないと言います。

学歴は、大学卒業後にどれだけ勉強を続けるかで、簡単にひっくり返るものなのです。

 

その秘訣は何でしょうか。

秘訣は、一生涯、勉強をし続けることです。

 

著者からの提言ですが、特に中高生の子どもたちが自分の才能を活かして世の中で十分に活躍したいならば、勉強は一生続けるものと心得なくてはなりません。

そして、一番続けやすく実りも多い勉強方法が、読書です。

 

著者いわく、中高生、そして大学生のうちは、1年で100冊は本を読みましょう。

ぼくたち大人も然りです。

大人になってからでも1年で50冊は読みたいものです。

 

このようにして著者の堀紘一さんは、60代70代になっても社内で重んじられ、どんな若者よりも優れた経営手腕を発揮し続けているそうです。

学生のうちは1年で100冊!

最低でも1年で50冊、学生のうちは100冊……。

冊数を聞いて驚かれたのではないでしょうか。

1年で100冊読むには、月に8〜9冊のペースです。1週間で2〜3冊。

 

ぼくは随分と歳をとってから読書の重要性に気づいたので、「学生のように1年で100冊を目指そう!」と気合を入れてがんばっています。

それでも、年間60冊前後というところです。

 

ちなみに多読を始める前の自分は、平均して年間13〜14冊くらいでした。

けっこう本が好きな方だと思っていたのですが、全然足りなかったです。

戦略的な読書術

さらに著者の堀紘一さんは、戦略的な読書方法を紹介しています。

ただ漠然と本を読んでいても、自分の才能を伸ばすことにはなりません。
どんな本を選ぶかが重要です。

 

自分の専門分野(中高生なら進路に関係した分野)が4割、小説が3割、その他の本が3割、つまり、4:3:3の比率でバランスよく読むと良いそうです。

ぼくの場合、専門分野は「地学・生物学」と「教育方法」で、これらが4割になります。

 

堀紘一さんの読書術を実践する以前のぼくは、読書の内訳を見ると小説が圧倒的に多かったです。

大学院の博士課程まで勉強したのに、専門分野に関する本は大して読んでいませんでした。

どちらかというと「本好き」だったのに、読書の恩恵を仕事で実感できていなかったのは、冊数の少なさももちろんあるとは思いますが、このバランスの悪さが大きな原因だったと思います。

特に専門分野が少なかったです。

 

それで、現在は意識的に専門分野とその他の本(小説以外)を読んでいます。

その効果は目覚ましいものでした。

知識の幅が広がり、深くなり、文章を書くことが上手になり、話題も豊富になりました。

特に「教育方法」の本を今までほとんど読んで来なかったので、生徒との接し方や子どもの抱える問題など、本当に多くの貴重なことを本から学べました。

成長を実感できる

この読書術のすごいところは、自分の成長を実感できるところです。

今までほとんど本を読んで来なかった人は、4~5冊読んだだけでも知識の広がりを実感できます。

10冊、20冊、戦略的にバランスよく読み続けることが大切です。

読書によって、新しい世界が開けます。

 

この記事が、特に中高生のお子さんを持つ親御さん、また学校の先生方のお役に立てれば幸いです。

読書が子どもたちの才能を広げ、子どもたちが、将来たくさん活躍する一人一人へと成長していくことを願っています。

参考になる図書