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クイズです。
目玉が5つある生き物は?
そんなのいない。
じゃあ、頭から一本の腕が伸びている生き物は?
うーん。これ何のテストですか?
ジャジャーン!
実は、そんな奇妙な生き物が大昔の海にはいたんです。
とっても奇妙な絶滅生物、オパビニア!
あー、そういう流れなのね。
いやいや、もっと驚いてよ。
目が5つあるって、あり得ないでしょ?
5つどころか、目玉が2つ以外の生き物なんて見たことない。
不思議なことに、みんな目玉は2つなんだ。
(※ 正確には、昆虫の多くが5つの目を持ち、クモは8つの目を持ちます。ですが、同じような大きさ・形の目が5つ、または8つあるわけではありません。)
確かにね。1つ目の鬼とかはいるけど・・・。あ、目がいっぱいあるって、変なモンスターみたい。ゲームに出てくるやつ。
そうそう。
そんなゲームの世界にしかいなさそうな生き物が、大昔の海には実際にいたんだ。
驚きでしょ?
大きさは7センチくらいだからモンスターというにはずいぶん可愛らしいけど、その姿だけ見るとグロテスク(は失礼か)・・・じゃなくて、とても奇妙。
へ〜。でもどんな姿か想像つかないな。
よし、じゃあ今からこいつの特徴を言葉で説明するから、絵を描いてみて。
ちなみに名前はオパビニア。
約5億年前の絶滅生物だと言われているんだ。
じゃあ、行くよ。
まず、胴体はちょっと平べったくなったイモムシ。
いや、ミミズがずんぐりと太ったと言った方がいいかな。
さっきも言ったけど、胴体の長さが7センチくらい。
その胴体の片方の端が頭になっていて、斜め上方向に目玉が5つ並んでいる。
ちょうどオリンピックの五輪マークみたいな並び方だよ。
でね、その目玉がちょっと飛び出しているんだ。
短いキノコみたいな感じ。
ぐるっと360度見渡せるんだ。
そして、その頭の先から、ゾウの鼻みたいに長いホースが伸びている。
長さは胴体よりやや短いくらいかな。
ホースの先は2つに分かれていて、バルタン星人の手のように、ものをはさめるようになっているんだ。
バルタン星人って?
・・・ごめんね、知らないよね。
まあ、カニのハサミみたいってこと。
野菜やパスタをつかむ「トング」だったらわかるかな。
そういうハサミが、ホースの先に横向きについている。
このホースを海底の砂の中に突っ込んで、砂の中にひそむやわらかい動物をつかまえて食べていたらしい。
口は頭の下側、ホースの付け根のあたりね。
さて、胴体の両側にはヒレがたくさん並んでいる。
ムカデの足みたいにいっぱいあるんだ。
最後にお尻。
頭と逆側の端っこには、エビの尻尾みたいな尾ヒレがついているんだ。
だいたいこんなところ。
できたよ。
おおー上手い!
って、ネットから取ってきたな。
ググればすぐだからね。
コラム:バージェス動物群
オパビニアは「バージェス動物群」と呼ばれる絶滅生物のグループなんだ。
カナダのバージェス山から化石が見つかったんだけど、同じところで見つかった生物には、アノマロカリスとかハルキゲニアとか、変な動物が多い。
オパビニアたちが見つかった地層は約5億年前の地層でね、この時代の地層からはものすごくたくさんの化石が発見された。
でも、それより古い地層にはなぜか化石が全然ない。
だから、オパビニアたちが生きていた時代を「カンブリアの大爆発」と言って、生物が大発生した時代だと考えられているんだ。
「カンブリア」っていうのは、時代の名前。
「古生代カンブリア紀」に生物が大発生したから「カンブリアの大爆発」なんだ。
バージェス動物群の仲間は、中国やグリーンランドでも見つかっているんだよ。
参考文献
- 日本語版ウィキペディア「オパビニア」
- ジャングルタイムズ「オパビニア」
- 好書好日「わけあって絶滅しました」
もっと知りたい人のためのオススメ本
今泉忠明・丸山貴史『わけあって絶滅しました』(ダイヤモンド社,2018)