(画像提供:Free-PhotosによるPixabayからの画像)

 

趣味でありながらプロ級のコーヒー職人、ダニエルズアークの大原昌人さんに、自宅でできる美味しいコーヒーの淹れ方を聞いた。

ダニエル流「美味しいコーヒーの7箇条」は次の通り。

  1. 豆から挽け
  2. 電動ミルを使え
  3. まずは蒸らせ
  4. 残りの4割は捨てろ
  5. 迷ったらカトーの豆を買え
  6. 焙煎してから5〜7日を狙え
  7. タイミングを逃すくらいなら生豆を焙煎しろ

 

本業がWebプロデューサーの大原氏。

・・・

いやいや。

これはもう、カフェのプロデュースをやるしかないよ。

とりあえず「7箇条」の詳細をお楽しみいただきたい。

それはとある昼下がり

何気なくぼくが持ってきたコーヒーを、大原氏が飲んでいたときだ。

「カツアキさん、豆は何使ってるんですか?」

ぼくはてっきりコーヒーが美味しいと褒めてくれる流れかと思って、嬉々として答えた。

「業務用スーパーで買ってきた粉で、気に入ってるからもう何年もこれなんだ。」

 

でも大原氏の様子がどうもおかしい。

「豆から挽いてないっすよね。だいたいいくらくらいですか?」

「1 kgで850円くらいだったと思う・・・。」

いくらぼくでもこれは褒められてる流れではないとわかり、早速美味しいコーヒーについてレクチャーしてもらった。

豆から挽け

何よりもまず、豆を挽け。

粉はダメだ。

大原氏によると、コーヒー豆は挽いた瞬間から劣化が始まるので、淹れる直前に挽くことが最も重要なミッションとなる。

時間が経つと、香りはすぐに飛んでしまう。

ぼくは挽いてから何週間か、あるいは何ヶ月か経った粉をスーパーで買っていたわけで、このチョイスに大原氏は我慢ならなかったようだ(話し方は至って優しいが)。

 

コーヒーもアートだと思えば、彼の芸術的感性が無意識に反応したと言うだけのことかもしれない。

実際、コーヒーはアートだと思う。

電動ミルを使え

ぼくは「手動ミルで挽くのは結構大変だよね」などとまた地雷を踏んでしまった。

彼の答えは至ってシンプル。

「電動ミルを使え。」

どうやら電動ミルも割と安価で買えるらしい。

 

調べてみたら、Amazonで2000円ほどで売っていた。

これがいいかどうかわからないが、どうせ使ったことないので比べようもない。

とりあえず2000円程度で道具は揃えられると言うことがわかった。

まずは蒸らせ

ぼくはここまでの話で、何よりも大事なのは豆を挽くことだと悟った。

業務用スーパーの粉コーヒーから抜け出すには、電動ミルを買って豆を挽けばいい。

簡単じゃないか。

 

しかし、コーヒーアーティスト大原氏はそんなに甘くない。

話はまだ終わらなかった。

次に大事なのはお湯の注ぎ方だ。

 

お湯は一気に注いではいけない。

まず、コーヒードリップにフィルターをセットする。

挽いた豆をフィルターに丁寧に載せる。

そして、お湯を「少しだけ」注ぐのだそうだ。

蒸らすために。

 

決してポタポタ下から落ちるほど注いではいけない。

少しだけ注ぐ。

そして待つ。

 

「蒸らす」とは、コーヒー豆さんの準備ができるのを待つことだ。

豆にお湯を注ぐと、最初にモコモコと膨れてくることはあなたもご存知だと思うが、あれは二酸化炭素などの雑味成分が放出されているのだそうだ。

だから、一気にお湯を注ぐと、その雑味成分までサーバーの中のコーヒーに入ってしまう。

 

コーヒー豆さんは、お湯を注いですぐは、まだ準備中。

焦ってはいけない。

二酸化炭素などが抜けるまで、つまり、ある程度コーヒーの香りが漂って来るまで、しばらく待つ。

目安として20〜30秒ほどでいいだろう。

それから本格的にお湯を注ぐ。

残りの4割は捨てろ

お湯の注ぎ方で大切なことがもう一つある。

「残りの4割は捨てろ。」

コーヒーを出し切ってはいけない。

目安として淹れ始めから最初の6割程度を抽出したら、その豆は終了だ。

つまり、残りの4割は潔く捨てる。

 

もったいないと思ったが、ぼくはこれ以上大原氏の地雷を踏まないことにした。

良い選択だったと思う。

 

コーヒーの旨味成分や上質な香りは、淹れ始めの最初の方にほとんどが抽出される。

そして、終盤に差しかかってくると、徐々に雑味が増えてくる。

こういう雑味をせっかくのコーヒーに混ぜてはいけない。

ここまでの努力を無駄にしないためにも、ここは潔く残り4割を捨てよう。

6割でストップした時に濃すぎると感じる人は、お湯を注いで好みの濃さに調節する。

迷ったらカトーの豆を買え

お湯の次は豆の種類だ。

コーヒー豆には無限に種類がある。

どの豆を買えば良いのか。

 

大原氏のおすすめは、名古屋のコーヒー専門店「加藤珈琲」の豆だ。


グルメコーヒー豆専門!加藤珈琲店

「加藤珈琲は楽天市場に出店しており、ネットからも買える。」

と、さりげなく楽天市場をアピールする大原氏。

 

実は彼、元楽天市場のプロデューサーなのだ。

楽天市場の店舗を知り尽くしているのだから、その情報は間違いないだろう。

そして、独立後も古巣の売り上げに貢献しているという義理の深さ。

意識してないかもしれないが、こういう人間性は必ず評価されると思う。

 

加藤珈琲の話に戻ろう。

大原氏は自分でたくさんの豆を飲み比べた結果、加藤珈琲に行き着いたそうだ。

とは言え、加藤珈琲の楽天ショップを覗くと、これまた豆の種類が無数にある(無数は言い過ぎだが)。

 

ざっと目を通してぼくが気になったのは、こちらの豆だ。


[1kg]しゃちブレンド・プレミアムブレンド珈琲セット[鯱×2]

名古屋といえば金のシャチホコ。

名古屋城のシンボルである。

しかも「加藤珈琲店の自信作」というフレーズ付きだ。

 

値段も手頃で、1kgで2000円ちょっとだった。

とりあえずこの辺から始めるとしよう。

焙煎してから5〜7日を狙え

豆を決めたら、注文日にも意識を払わねばならない。

コーヒーの香りが最も引き立つのは、焙煎後すぐではなく、5〜7日目。

そこをピークに、徐々に劣化していくわけだ。

 

だから、例えばバザー等のイベントで豆を使う日が決まっているならば、逆算して約1週間前に注文する。

前述の加藤珈琲は、注文した日の当日か翌日に焙煎してくれるので、焙煎後の日数を数えることが可能である。

 

ここまでするのか、コーヒーアーティスト。

プライベートで勝負のコーヒーイベントがある人は、ぜひお試しいただきたい。

タイミングを逃すくらいなら生豆を焙煎しろ

とは言うものの、最低でも1kgとか500gとかの単位で注文するのだから、飲み切れないのが普通である。

そこで、

  • 「焙煎から5〜7日目の最高の状態で飲みたい。」
  • 「でも、飲み切れない。」
  • 「劣化したあとで飲むのは嫌。」

と言うこだわりの強いあなたのために、大原氏が最後にとっておきのアドバイスをくれた。

 

「生豆を焙煎しろ。」

生の豆と書いて「キマメ」と読む。

「キマメヲバイセンシロ。」

 

そう。

なんと焙煎まで自分でやってしまえと言うアドバイスだ。

大原氏によると、家庭のコンロで網焼きすれば、十分に自分で焙煎可能とのことだ。

網焼き焙煎は、時間にして20〜30分程度。

確かにできなくはない。

できなくはないが・・・そこまでするのか、コーヒーアーティスト。

終わりに

以上、プロ級のコーヒー職人であるダニエルズアーク大原氏に、自宅でできる美味しいコーヒーの淹れ方をレクチャーしてもらった。

大原氏の肩書きは実に多彩だ。

「ダニエルズアーク代表取締役」「Webプロデューサー」「写真家」「元楽天市場プロデューサー」「コーヒーアーティスト」などなど。

 

今や独立起業家の肩書きはいくつあっても良い時代になった。

ホリエモンこと堀江貴文氏は、著書『多動力』の中で30個くらいの肩書きをざっと挙げているし、『デジタルネイチャー』の落合陽一氏も、メディアアーティスト、研究者、写真家、作家、経営者、筑波大学学長補佐など、いくつもの肩書きを持つ。

 

この記事を通して、あなたの肩書きがもう一つ増えれば幸いである。