(画像提供:Michelle MariaによるPixabayからの画像)

 

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これまで観測された地球上の最低気温は、なんとマイナス97.8℃。

南極の高地4000メートル付近で観測されました。

 

ちなみに、ドライアイスの温度がマイナス79℃です。

ドライアイス(MarkS / CC 表示-継承 3.0

 

さわったら凍傷(やけどのような症状)を起こすあのドライアイスでさえ、マイナス79℃なんです。

水に入れると、こんな風にモクモクと白い煙が大量に出てきますよね。

ドライアイスを水に入れたときの様子(ウィキペディア / CC 表示-継承 3.0

 

この中に手を入れたらと思うと、ゾッとします。

 

「マイナス97.8℃」というのはこれよりもずっと低い温度。

ドライアイスより20℃近く低い。

どれだけ寒いのか想像もつきませんね。

 

報道したフォーブス誌によると、「人間が数回呼吸しただけで肺から出血して即死するほどの気温」とのことです。

こんな場所に行ったら、命が危ない。

南極では呼吸することも命がけ(Murray LoveによるPixabayからの画像)

 

幸いなことに、マイナス97.8℃というこの最低気温記録は、実際にその地点まで人間が行って測ったわけではありません。

2004年から2016年までの衛星データを解析した結果、判明したとのことです。

とは言え、南極の観測基地にはちゃんと人がいるわけで、やはりタダごとではない。

南極の観測史上最低気温は衛星データで判明(SpaceX-ImageryによるPixabayからの画像)

 

ところで、「南極がこれだけ寒いなら、北極も同じくらい寒いのでは?」と思いませんか。

しかし、北極は意外と暖かく、観測された最低気温はマイナス50℃くらいです。

南極に比べて北極は意外と暖かい(272447によるPixabayからの画像)

 

北極が南極ほど寒くならないのは、北極に陸地がないから。

海水よりも陸地のほうが温度が下がりやすいですし、海流が熱を運んできてくれるため、北極は割と温かいのです。

南極は陸地で、しかも4000メートルを超える高山があるため、地球上で最も寒くなるのですね。

 

ちなみに、北半球の最低気温観測地は、北極ではなくロシアのシベリア地方です。

シベリアのオイミャコン市は「世界で最も寒い定住地」と言われる街で、1981〜2010年までに観測された最低気温はマイナス67.7℃にも達します。

ロシアのオイミャコン市近郊の風景(Maarten Takens / CC 表示-継承 2.0

 

オイミャコン市の標高は740メートルで、決して高山に位置しているわけではありませんが、冬にはシベリア大地によって大気が大幅に冷やされるため、ここまで気温が下がるのです。

逆に夏には30℃を超えることもあり、一年の気温差が極端に激しい場所でもある。

 

そんな厳しい環境ですが、オイミャコン市に人が住み続ける理由は、金(ゴールド)などの貴重な資源があるからだそうです。

オイミャコン市は金の採掘地(Alchemist-hp / CC BY-SA 3.0 de

 

さて、地球上で観測されている最低気温の数々、いかがだったでしょうか。

南極のマイナス97.8℃、オイミャコン市のマイナス67.7℃、北極のマイナス50℃など、いずれも人間が住める限界を超えていますね。

これも地球の姿の一つとして、極寒の世界に思いを馳せていただければと思います。

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