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この記事は、アメリカUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)栄養学者のナンシー・アップルトン博士による『124 Ways Sugar Can Ruin Your Health(砂糖があなたの健康を破壊し得る124の方法)』の日本語訳です。

砂糖が私たちの体に与えるデメリットについて非常に参考になる文章なので、翻訳してそのまま引用します。

なお、翻訳の責任は当サイトにあることをお断りしておきます。

厳密な情報が知りたい方は、こちらの原文とその引用文献をご参照ください。

前文

過剰な砂糖摂取は、体の恒常性(ホメオスタシス)を失わせることに加えて、そのほかにも多くの重大な結果を引き起こすだろう。下記のリストは、様々な医学雑誌と科学系の出版物から引用した、砂糖の代謝の結果である。

砂糖があなたの健康を破壊し得る124の方法

1. 砂糖は免疫システムを抑えてしまう。

2. 砂糖は体内のミネラルの関係をひっくり返す。

3. 砂糖は子どもたちの多動、不安、集中困難、気難しさを引き起こす。

4. 砂糖はトリグリセリド(中性脂肪)の重大な増加をもたらす。

5. 砂糖は細菌感染(感染症)に対する防御力を低下させる。

6. 砂糖は組織の弾力と機能を低下させる。より多くの砂糖を摂取するほどあなたはより多くの弾力と機能を失う。

7. 砂糖は高密度のリポタンパク質(血液中で脂質を運搬するタンパク質)を減少させる。

8. 砂糖はクロム欠乏症に至らせる。

9. 砂糖は乳がん、卵巣がん、前立腺がん、直腸がんに至らせる。

10. 砂糖はグルコース(ブドウ糖)の飢餓レベルをより高く引き上げる。(※訳注:体内のブドウ糖濃度が高いのに体が飢餓状態を感じてしまう。つまり、より飢餓状態を感じやすくなる。)

11. 砂糖は銅欠乏症を引き起こす。

12. 砂糖はカルシウムとマグネシウムの吸収のじゃまをする。

13. 砂糖は視力を弱める。

14. 砂糖は神経伝達物質の濃度を上げる:ドーパミン、セロトニン、ノルエピネフリン。(※訳注:ホルモンバランスが崩れるという意味。ノルエピネフリンはノルアドレナリンの米国での呼称。)

15. 砂糖は低血糖症を引き起こす。

16. 砂糖は消化管を酸性状態にする。

17. 砂糖は子どものアドレナリン濃度を急上昇させる。

18. 砂糖の吸収不良は、機能性腸疾患の患者によく見られる。

19. 砂糖は早老を引き起こす。

20. 砂糖はアルコール中毒に至らせる。

21. 砂糖は虫歯を引き起こす。

22. 砂糖は肥満の原因となる。

23. 砂糖の高摂取は、クローン病と潰瘍性大腸炎のリスクを増大させる。(※訳注:クローン病は原因不明の慢性の炎症性腸疾患。)

24. 砂糖はしばしば、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因になる。

25. 砂糖は関節炎を引き起こす。

26. 砂糖は喘息を引き起こす。

27. 砂糖は、カンジダ・アルビカンス(カンジダ菌)を制御できないほどに成長させてしまう(イースト感染症を大いに助長する)。(※訳注:カンジダ菌は酵母菌(=イースト)の一種で、異常繁殖すると口内に白いカビのようなものができる。カンジダ菌の異常繁殖は体力の著しい低下が原因とされており、他の重大な病気のサインであることも多い。)

28. 砂糖は胆石を引き起こす。

29. 砂糖は心臓病を引き起こす。

30. 砂糖は虫垂炎を引き起こす。

31. 砂糖は多発性硬化症を引き起こす。

32. 砂糖は痔(ぢ)を引き起こす。

33. 砂糖は静脈瘤を引き起こす。

34. 砂糖は経口避妊薬使用者のインスリン反応を強める。(※訳注:インスリン反応とは、血中グルコース濃度の上昇に反応してインスリンが分泌される現象のこと。)

35. 砂糖は歯周病に至らせる。

36. 砂糖は骨粗しょう症の原因となる。

37. 砂糖は唾液の酸性化の原因となる。

38. 砂糖はインスリン感受性の低下を引き起こす。

39. 砂糖は血液中のビタミンE量を減少させる。

40. 砂糖は成長ホルモンを減少させる。

41. 砂糖はコレステロールを増加させる。

42. 砂糖は収縮期血圧を上昇させる。

43. 砂糖は子どもの眠気と活動低下を引き起こす。

44. 砂糖の高摂取は、糖化最終産物AGEs(タンパク質に非酵素的に結合した糖)を増加させる。

45. 砂糖はタンパク質の吸収を阻害する。

46. 砂糖は食物アレルギーを引き起こす。

47. 砂糖は糖尿病の原因となる。

48. 砂糖は妊娠中の中毒症を引き起こす。

49. 砂糖は子どもの湿疹の原因となる。

50. 砂糖は循環器疾患を引き起こす。

51. 砂糖はDNAの構造を傷つける。

52. 砂糖はタンパク質の構造を変化させる。

53. 砂糖はコラーゲンの構造を変化させることによって、私たちの肌を老化させる。

54. 砂糖は白内障を引き起こす。

55. 砂糖は気腫を引き起こす。(※訳注:気腫とは疾患部位に空気またはガスがたまった状態のこと。一般に肺気腫を指すことが多い。他に皮下気腫など。)

56. 砂糖はアテローム性動脈硬化を引き起こす。

57. 砂糖は低密度リポタンパク質(LDL)の増加を促進する。

58. 砂糖の高摂取は、体内における多くのシステムの生理的恒常性(ホメオスタシス)を阻害する。

59. 砂糖は酵素の機能を低下させる。

60. 砂糖の摂取量は、パーキンソン病の患者でより多い。

61. 砂糖は体内におけるタンパク質の作用を恒久的に変化させる。

62. 砂糖は肝細胞の分裂を引き起こすことによって、肝臓のサイズを大きくする。

63. 砂糖は肝臓脂肪の量を増加させる。

64. 砂糖は腎臓のサイズを大きくし、腎臓の病理学的変化を引き起こす。

65. 砂糖は膵臓にダメージを与える。

66. 砂糖は身体の液体保持を増加させる。

67. 砂糖は便秘の原因の筆頭である(腸の動きを悪くする)。

68. 砂糖は近視を引き起こす。

69. 砂糖は毛細血管の内壁を損傷させる。

70. 砂糖は腱をより脆(もろ)くする。

71. 砂糖は頭痛を引き起こす(偏頭痛も含む)。

72. 砂糖は女性の膵臓がんの原因となる。

73. 砂糖は学齢期の子どもの成績に悪影響を及ぼし、学習障害を引き起こす。

74. 砂糖は、デルタ、アルファ、シータの各脳波の増加を引き起こす。

75. 砂糖はうつ病を引き起こす。

76. 砂糖は胃がんのリスクを増大させる。

77. 砂糖は消化不良の原因となる。

78. 砂糖は痛風のリスクを増大する。

79. 砂糖は、経口ブドウ糖負荷試験におけるブドウ糖(グルコース)の濃度を、複合糖質の摂取全般に渡って上昇させる。

80. 砂糖は、高糖質の食事をしている人のインスリン反応を増大させる(低糖質の食事をしている人に比べて)。

81. 精白糖の多い食事は学習能力を低下させる。

82. 砂糖は、2種類の血中タンパク質(アルブミンとリポタンパク質)の機能低下を引き起こし、脂肪とコレステロールを取り扱う体の能力を低下させる。

83. 砂糖はアルツハイマー病の原因となる。

84. 砂糖は血小板の粘着性を増大させる。

85. 砂糖はホルモンバランスの悪化を引き起こす。あるホルモンは活動不足になり、あるホルモンは活動過多になる。

86. 砂糖は腎臓結石を形成する。

87. 砂糖は、多種多様な刺激に対して視床下部を非常に敏感にする。(※訳注:視床下部は間脳の一部で、ホルモン分泌や自律機能を調節する中枢。)

88. 砂糖はめまいの原因となる。

89. 砂糖の多い食事は、活性酸素と酸化ストレスの原因となる。

90. 抹消血管疾患の患者がショ糖の多い食事を摂ると、血小板の粘着が顕著に増加する。

91. 砂糖の多い食事は胆道がんに至らせる。

92. 砂糖はがんを育てる。

93. 妊娠中の女性が多くの砂糖を摂取すると、未熟児を出産するリスク(早産のリスク)が2倍になる。

94. 多くの砂糖を摂取すると、女性において妊娠期間の大幅な減少を引き起こす。

95. 砂糖は消化を遅くする。(※訳注:原文は、消化管を通る食物の移動を遅くする、の意味。)

96. 砂糖は便に胆汁酸を濃縮させ、結腸では細菌酵素を増加させる。(※訳注:その結果、大腸がんのリスクが高くなる。)

97. 砂糖は男性のエストラジオールを増加させる(天然に存在するエストロゲンのうち、最も強力な形がエストラジオール)。

98. 砂糖は酵素フォスファターゼを結合し、破壊する。このことは、消化の過程をもっと困難なものにする。

99. 砂糖は胆嚢がんのリスク要因である。

100. 砂糖は習慣性のある物質である。

101. 砂糖はアルコールに似て、酔わせる作用がある。

102. 砂糖はPMS(月経前症候群)を悪化させる。

103. 未熟児に砂糖を与えると、彼らが出す二酸化炭素の量に影響を与える。

104. 砂糖の摂取量が減ると、感情が安定する。

105. 砂糖は血液中で脂肪に変わるが、デンプンに比べて砂糖は2〜5倍も多くの脂肪に変わる。

106. 砂糖の急速な吸収は、肥満者の過剰な食物摂取を促進する。

107. 砂糖はADHD(多動性症候群)の子どもの症状を悪化させる。

108. 砂糖は尿中の電解質の組成に悪影響を及ぼす。

109. 砂糖は副腎の機能を鈍らせる。

110. 砂糖は普通の健康な個人において、普通ではない代謝の過程を引き起こし、慢性変性疾患を促進させる。

111. 砂糖水の静脈内投与は、脳への酸素の供給を遮断する。

112. ショ糖を多く摂取することは、肺がんの重大なリスク要因となる。

113. 砂糖はポリオのリスクを増大させる。

114. 砂糖の高摂取はてんかん発作を引き起こす。

115. 砂糖は肥満の人の高血圧を引き起こす。

116. ICU(集中治療室)においては、砂糖の制限が命を救う。

117. 砂糖は細胞死を引き起こす。

118. 砂糖は、生物体の多くのシステムで生理的恒常性(ホメオスタシス)を阻害する。

119. 青少年のリハビリテーションキャンプにおいて、子どもたちが砂糖の少ない食事をしたとき、反社会的行動が44%も減少した。

120. 砂糖は胃がんを引き起こす。

121. 砂糖は新生児に脱水症状を起こさせる。

122. 砂糖は歯周病を引き起こす。

123. 砂糖は若い男性において、エスタラジオールを増加させる。

124. 砂糖は新生児の出生体重を低下させる。

引用文献

Nancy Appleton “124 Ways Sugar Can Ruin Your Health.”

http://www.diet-studies.com/open/sugar.pdf