地球科学専門のサイエンスコミュニケーター(当サイト管理人)が選ぶ、「中学・高校のうちに読みたい科学の本」をご紹介します。

私は地球科学が専門なので、「科学の本」と言っても地球科学系が中心になります。

地球、宇宙、生命、環境などなど。

学校の教科目で言えば「地学」と「生物学」ですね。

それではどうぞ!

地学(地球科学)のおすすめ図書

著者名の50音順で並べてあります。

もしも月がなかったら

もしも地球に月がなかったら、どんなことが起こるでしょうか。

天文学・物理学教授の著者が、月のない世界を科学的根拠に基づいて推測します。

果たして人は住めるのでしょうか。

「もし……だったら」と考えることで、SF映画の世界を体験するように楽しみながら、月が果たしているとても重要な役割を知ることができます。

地球の論点:現実的な環境主義者のマニフェスト

原題は『Whole Earth Discipline』です。

著者のスチュアート・ブランドは、米国Apple社の創業者スティーブ・ジョブズに多くのインスピレーションを与えたとされる有名な雑誌『Whole Earth Catalog』の発行人です。

原子力の是非から人類の未来まで、広範な環境問題が長大な時間・空間スケールで論じられています。

ホーキング、宇宙を語る―ビッグバンからブラックホールまで

車椅子の天才科学者、ホーキング博士による宇宙論の入門書です。

難しい理論も分かりやすく説明されています。

ドキュメント御嶽山大噴火

2014年9月27日に発生した御嶽山の噴火は、登山者ら58名の死亡者を出す戦後最悪の火山災害となりました。

噴火の現場で何が起こっていたのか、また、噴火とはどういう現象なのか、被災者の体験や専門家の調査結果が克明に綴られた貴重なドキュメンタリーです。

ゼロからトースターを作ってみた結果

タイトルだけ見ると地球科学と関係なさそうですが、読めばわかります^^

著者は美術大学の大学院生。

若きアーティストが「ゼロ」からトースターを作ろうとした時、最初に探したのはなんと鉄鉱石でした。

「そこからかよ!」と突っ込みたくなるのですが、本人は大まじめ。

全ての材料を山から採ってくるという気合の入れ方がすごい。

この本もめっちゃ笑えます。

生物学(生命科学)のおすすめ図書

著者名の50音順で並べてあります。

進化しすぎた脳

現役の脳科学者が脳科学の最前線を中高生に向けて語った特別講義の記録です。

人間は、ほかの動物と比べて著しく脳を進化させることができた動物だと考えられていますが、「それにしても人の脳は進化しすぎている」というのが著者の見解です。

環境に適応する形で脳が進化したという理論では説明できないくらい、人の脳はハイスペックで、むしろ人の体(脳に比べてかなり不自由な体)が脳の機能を制限してしまっているというのです。

生命は本当に不思議ですね。

単純な脳、複雑な「私」

『進化しすぎた脳』の続編です。

続けて脳科学の最前線が語られるのですが、そもそも脳のことを脳で考えるというのは、どこまで可能なんでしょうか。

脳を理解しようとして頑張っている存在は、脳そのものなのです。

そしてその脳が、「私」そのものだとも言えるのです。

「私」とは一体どんな存在なんでしょうか。

脳の仕組みを考えながらこの問いに迫ります。

種の起源(上・下)

「進化論」を有名にした、かのチャールズ・ダーウィンの代表作です。

ダーウィンが生きた時代は、今とは逆にキリスト教の世界観が主流の時代でした。

つまり、「進化論」はキリスト教信仰に反する考えとして否定され、「すべての生き物は神の手によって作られた」という考えがごく普通に受け入れられていた時代です。

 

『種の起源』は、あらゆる反論にさらされながらも進化論を提唱し、激しい議論に耐えうるだけの科学的証拠を積み上げたダーウィンの大著です。

進化を唱えることが神への冒涜として非難された時代だからこそ、極めて慎重に議論が展開されており、著者の見識の深さと幅広さに自然と敬意を抱くようになります。

 

進化が科学的に正しいかどうかは、たくさん議論の余地があると思います。

むしろ、最近の研究結果は進化を否定する報告が多いです。

しかし、歴史的な人類の歩みとして、「進化論」を正しく理解することは有益です。

『種の起源』で、「進化論」の見方が変わるのではないでしょうか。

生命の始まりを探して僕は生物学者になった

広島大学生物圏科学研究科教授による中高生向けの著書です。

深海、砂漠、南極・北極など、体当たりで生命のフロンティアを冒険するエネルギッシュな一冊です。

著者が宇宙飛行士試験に応募した時のエピソードも面白いです。

生物と無生物のあいだ

私たちは普段、生物と生物でないものとを無意識のうちに何となく判断しています。

そして、何となく判断しているのに、そこには確信があります。

「生物と無生物とは、はっきり分けられるものだ」という確信です。

しかし、分子生物学の観点から眺めてみると、生物と無生物とを分けることは意外にも困難なことだと気づかされます。

 

第29回(2007年)のサントリー学芸賞にも選ばれた、文学作品としても評価の高い科学ミステリーです。

世界は分けてもわからない

上記『生物と無生物のあいだ』の続編です。

ある研究所で起こったミステリー(殺人とかではありませんが……)を追いかけながら、分子生物学の最前線へと読者を導きます。

 

科学者は対象物を細分して理解しようとしてきました。

ミクロな生物学がその典型です。

しかし、全体として存在しているものを細分したところで、本質を見出すことはできないのではないか。特に生命を考えるとき、科学者はそのジレンマと向き合うことになります。

動的平衡:生命はなぜそこに宿るのか

『生物と無生物のあいだ』の著者が、最新の科学的知見をもとに生命現象を解き明かします。

タイトルの「動的平衡」は、聞き慣れない言葉ですよね。

簡単に言うと、私たち生物の「見た目」はだいたいいつも一定に保たれているのですが、「生物を構成する分子」は毎日毎日入れ替わっている、という意味です。

すごいですね。

 

分子レベルで見ると、生物は絶え間ない流れの中で形状を保ちながら、その中に命を宿し、考えたり愛したりする存在になっているのです。

タンパク質というただの物質の組み合わせが、そのような命を生み出しているのです。

本当に不思議で、神秘的な話です。

二重らせん

DNAの二重らせん構造を発見した研究者たちのドラマです。

ロンドン大学の研究チームとケンブリッジ大学の研究チームのどちらが先に発見するか、互いの研究を意識しながらの息をのむようなスリリングな展開です。

結局ノーベル賞を受賞したのはケンブリッジ大学のワトソンとクリック、ロンドン大学のウィルキンスの3人でしたが、その陰にはX線構造解析で二重らせん構造の決定に重大な貢献をした女性研究者、フランクリン(ロンドン大学)の存在がありました。

バッタを倒しにアフリカへ

バッタを愛してやまない昆虫博士が、バッタの研究で食べていくためにアフリカのサハラ砂漠へ。

そこで待ち受けていたのは、大地をおおうほどのバッタの大群でした。

緑の衣(緑の全身タイツ)をまとった博士が、喜び勇んでその中に飛び込んでいくと・・・。

31歳でアフリカに渡った若き研究者が、リアルな日常を赤裸々につづった名著です。

めっちゃ笑えます!