さすがナショジオ。
きれいな写真満載で、薄い本なのに内容も充実。
アイルランドの自然や歴史、国民性、社会問題などが一通りわかります。
ネット上で旅行サイトが掲載している情報より、ずっと深い。
アイルランドは、2000年以降に急速に経済発展した「ケルトのトラ」なのだそうです。
1980年代以降に急成長した韓国や台湾が「アジアのトラ」と呼ばれるので、それになぞらえてのことだとか。
でも、そもそもこの国は、「それほど豊かでなくても自分たちの島で自給自足を基本にした国造りをしてこう」という想いで、独立後の政策を進めてきたそうです。
それが、飢饉による食糧危機でやむなく方向転換。
清潔な工場と高度な技術を持った人材を準備し、ハイテク産業でヨーロッパ有数の豊かな国になりました。
動物や自然を愛するアイルランド人。
静かで、気候も穏やかで、豊かな牧草地が広がるアイルランド島。
そして、2000年以降の経済発展。
穏やかに生きることを願う民族が、激動の時代を生きなければならなかったこの国の歴史に、複雑な思いがします。
ちなみに、アイルランドには蛇がいないそうです。
ネズミも2種類だけ。
ずーっと昔から島国で、動物が移住して来なかったんですね。
旅行や留学を計画している人にオススメの一冊ですが、図書館で借りれば十分だと思います。
あと、写真が多いので、ブックカフェにはいいかも。
ヨーロッパ風のお洒落なカフェなら、お店に置いておけばお客さんが楽しんでくれそうです。
今回ご紹介した本
『ナショナルジオグラフィック世界の国 アイルランド』A・マックィン(2011)