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これまで観測された地球上の最低気温は、なんとマイナス97.8℃。
南極の高地4000メートル付近で観測されました。
ちなみに、ドライアイスの温度がマイナス79℃です。
さわったら凍傷(やけどのような症状)を起こすあのドライアイスでさえ、マイナス79℃なんです。
水に入れると、こんな風にモクモクと白い煙が大量に出てきますよね。
この中に手を入れたらと思うと、ゾッとします。
「マイナス97.8℃」というのはこれよりもずっと低い温度。
ドライアイスより20℃近く低い。
どれだけ寒いのか想像もつきませんね。
報道したフォーブス誌によると、「人間が数回呼吸しただけで肺から出血して即死するほどの気温」とのことです。
こんな場所に行ったら、命が危ない。
幸いなことに、マイナス97.8℃というこの最低気温記録は、実際にその地点まで人間が行って測ったわけではありません。
2004年から2016年までの衛星データを解析した結果、判明したとのことです。
とは言え、南極の観測基地にはちゃんと人がいるわけで、やはりタダごとではない。
ところで、「南極がこれだけ寒いなら、北極も同じくらい寒いのでは?」と思いませんか。
しかし、北極は意外と暖かく、観測された最低気温はマイナス50℃くらいです。
北極が南極ほど寒くならないのは、北極に陸地がないから。
海水よりも陸地のほうが温度が下がりやすいですし、海流が熱を運んできてくれるため、北極は割と温かいのです。
南極は陸地で、しかも4000メートルを超える高山があるため、地球上で最も寒くなるのですね。
ちなみに、北半球の最低気温観測地は、北極ではなくロシアのシベリア地方です。
シベリアのオイミャコン市は「世界で最も寒い定住地」と言われる街で、1981〜2010年までに観測された最低気温はマイナス67.7℃にも達します。
オイミャコン市の標高は740メートルで、決して高山に位置しているわけではありませんが、冬にはシベリア大地によって大気が大幅に冷やされるため、ここまで気温が下がるのです。
逆に夏には30℃を超えることもあり、一年の気温差が極端に激しい場所でもある。
そんな厳しい環境ですが、オイミャコン市に人が住み続ける理由は、金(ゴールド)などの貴重な資源があるからだそうです。
さて、地球上で観測されている最低気温の数々、いかがだったでしょうか。
南極のマイナス97.8℃、オイミャコン市のマイナス67.7℃、北極のマイナス50℃など、いずれも人間が住める限界を超えていますね。
これも地球の姿の一つとして、極寒の世界に思いを馳せていただければと思います。
もっと知りたい人のためのオススメ本
南極OB会編集委員会『南極読本ーペンギン、海水、オーロラ、隕石、南極観測のすべてがわかるー』(成山堂書店,2019)