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コロナウイルスはpHに敏感
「コロナウイルスの感染力はpHに大きく依存し、pH 6.0で最大の感染力を示す。」
このように話すのは、ダビンチ・ホリスティック医科大学(キプロス共和国)の医師で、東洋医学と農村医学を専門とするマーク・サーカス博士だ。
【参考】Viruses are pH Sensitive | Dr Sircus (Published on March 4, 2020)
コロナウイルスにpHが効く、というのは本当なのか。
だとすれば、ワクチン開発よりもpHコントロールを考えた方が、コロナ対策として有効である可能性が高い。
サーカス博士によると、「ほとんどのウイルスの弱点はpHである」と最初に発見したのは、米国マサチューセッツ総合病院の研究者とのこと。
なるほど、「ほとんどのウイルス」にとってはpHが弱点なのかもしれない。
しかし、私たちが知りたいのは、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)にこれが当てはまるかどうかだ。
肝心のコロナウイルスに関してはどうなのだろうか。
コロナウイルスには様々な種類があり、今回のCOVID-19は「新型」と呼ばれているが、例えばMHV-A59という種類のコロナウイルスについては次のような実験結果がある。
- pH 6.0の酸性では安定だが、pH 8.0のアルカリ性では急速かつ不可逆的に不活性になる。
- pH 6.0の時の感染力は、pH 7.0の時の感染力に比べ10倍大きい。
これまで研究されてきたコロナウイルスに関しては、おおむね同じ結果が得られているようである。
今回の新型コロナウイルスCOVID-19についても同じことが言えるのだろうか。
それとも、今回だけは例外なのか。
専門家の研究結果を待つほかないが、COVID-19については、残念ながら感染力とpHとの関係性について述べられた情報が少ない。
なお、COVID-19に先立つ近縁種のコロナウイルス、SARS-CoV-2については、「pH 3からpH 10までウイルスは安定」との報告がある。
【参考】Stability of SARS-CoV-2 in different environmental conditions. The Lancet Microbe, Volume 1, Issue 1, May 2020.(多くの環境下でSARS-CoV-2は長時間安定)
アルカリ性のpHで感染しにくいのは普遍的な化学現象
COVID-19に関して情報が少ないのは確かだ。
ただ、これまで研究されてきたウイルスの「ほとんど全て」について、「pHが弱点(=アルカリ性に弱い)」という結果が得られていることは、やはり特筆に値する。
これは、コロナウイルスだけでなく風邪のウイルスやインフルエンザウイルスについても、全てに共通する普遍的な現象なのだ。
これほどの共通性があるのはなぜか。
それは、体内のpHは「細胞の電圧」および「酸素飽和度」と密接に関係しており、これら2つが、異物が細胞内に入り込めるかどうかを決定する要因だからだ。
つまり、pHが高いと、化学的な現象として細胞内に何かが入り込むことが難しくなる。
だからウイルスに感染しにくい。
実際、ロイヤル・フリー医科大学病院(英国)は、ウイルスと病原菌の両方について、アルカリ性のpHで繁殖が抑制されると結論づけている。
具体的には、私たちの体内をpH 6.8からpH 7.2の弱アルカリ性に保つことで、風邪や喉の痛み、インフルエンザなどの重症化を防げるということだ。
体内をアルカリ性にするには重曹が有効
それでは、体内をアルカリ性にするにはどうすれば良いか。
最も効果的かつ簡単なのは、重曹(炭酸水素ナトリウム)の水溶液を飲むことだ。
濃度は8.4%程度。
重曹を水に溶かすと、pH 8.3くらいの弱いアルカリ性を示す。
重曹はベーキングパウダーなど食品としても利用されている化合物なので、薬と比べれば遥かに安全である。
重曹水溶液を飲むと言うこのシンプルな方法は、感染予防にはもちろんのこと、感染した人にとっても、重症化を防ぐと言う意味で非常に有効とのことだ。
砂糖をやめることでも体内はアルカリ性になる
「体内をアルカリ性にするには、重曹の水溶液を飲めばいい。」
そうは言っても、健康な人が毎日積極的に重曹を飲むだろうか。
症状がなければ、モチベーションが続かない。
そこで、もっと手軽で有効な方法を紹介したい。
それは、砂糖をやめることだ。
甘いケーキやチョコレートを食べないようにする。
これだけで、体内のpHは酸性からアルカリ性へと変化する。
砂糖には虫歯や老化、イライラなど様々な弊害があるとされているので、これを機会に本格的な「シュガーカット」に挑戦してみてもいいだろう。
もちろん、完全にゼロにしなくても、砂糖や甘いものを控えるだけでも十分に効果はある。
砂糖の悪影響とシュガーカットによる食事療法については、下記の書籍を参照のこと。
【参考】自然治癒力が上がる食事 名医が明かす虫歯からがんまで消えていく仕組
そして、シュガーカットを実践したら、その効果を確かめるために唾液のpHを測ってみると良い。
pH 7.0からpH 7.2くらいになっていれば、十分な効果が出ている。
一方で、pH 6.0からpH 6.6程度だと、かなり危険だ。
冒頭のサーカス博士の言葉の通り、コロナウイルスはpH 6.0で最大の感染力を示す。
なお、唾液のpHを測るには、pHメーターかpH試験紙を用いる。
どちらも市販されているが、pHメーターはやや扱いが難しく、簡易的に調べるならpH試験紙がおすすめである。
pH試験紙でわかるのはおおよそのpHであり、「7.2」のような正確な数値がわかるわけではない。
でも、唾液が酸性なのか中性なのか分かればそれで十分だ。
使用する際の注意点として、pH試験紙を舌で直接舐めることはせず、必ずコップに唾液を出して、そこにpH試験紙を浸すようにすること。
終わりに
ここまで、マーク・サーカス博士の記事をもとに下記のことを述べてきた。
- コロナウイルスの感染力はpHに大きく影響される。
- 体内をアルカリ性にすれば感染しにくくなる。
- 体内をアルカリ性にするには、重曹の水溶液を飲むことが有効。
- 砂糖をやめる、または減らすことでも体内がアルカリ性になる。
マスクやアルコール消毒、ソーシャルディスタンスの確保など、新型コロナ対策はすでに多くの人が実施していることと思う。
マスクや消毒は、基本的にウイルスが体内に入らないようにする対策だ。
それに対し、この記事で紹介した「体内をアルカリ性にする」と言う対策は、ウイルスが体内に侵入しても感染しないようにする対策、あるいは、感染しても重症化しないようにする対策だ。
両者は決して相反するものではなく、現行のコロナ対策と併せて実施していただければと思う。
その他、重要と思われる知見を箇条書きで示しておく。
- 太陽光を浴びることも感染予防に有効。太陽光の紫外線は、ウイルスを不活性化させることに有効だから。
- 新型コロナウイルスは頻繁に遺伝子変異を起こすことがわかっており、将来の変異に対してワクチン開発が追いつかない可能性がある。ワクチンによる対策よりも、pHコントロールによる対策が有効ではないか。
- 体内がアルカリ性だと、ウイルスが体内に入っても感染に至らないので、マスクをしなくても良くなる。感染に至らないウイルスの侵入は、抗体ができるのでむしろ望ましい。ただし、保育園や学校など人が集まる場所ではエチケットとして着用し、他の人の不安を煽らないように配慮する。
- 同様に、体内がアルカリ性の人は手のアルコール消毒もしなくて良い。むしろ過剰な消毒は手の表面の常在菌を死滅させ、新たに付着したウイルスの繁殖を促すことになり逆効果。ただしこちらについても、医療や介護の現場、飲食店など、場所によっては当然の配慮が必要。
- 体温を上げる、ゆっくり休むなど、免疫力を高めることが有効なのは他の病気と同じ。
もっと知りたい人のためのオススメ本
小峰一雄『自然治癒力が上がる食事 名医が明かす虫歯からがんまで消えていく仕組』(ユサブル,2018)