ビフォスファマイト(リン酸二水素アンモニウム)の人工結晶

ビフォスファマイトはリン酸二水素アンモニウムの結晶で、比較的手軽に、大きく美しい鉱物結晶を作ることができます。

原料となるリン酸二水素アンモニウムは農業用の肥料に使われている薬品で、危険はありませんが、取り扱いには少し注意が必要です。

  • 購入は、試薬を取り扱っている会社(例えばこちら)や薬局にご相談ください。
  • 廃棄する時は水道に流さず、必ず古新聞やキッチンペーパーなどに染み込ませてから、「燃やすゴミ」として捨てるようにしてください。

 

原料を用意するのに少しハードルがありますが、作り方は簡単です。

この記事ではご家庭にあるものを利用して、手軽に人工結晶を作る方法をご紹介します。

用意するもの

  • リン酸二水素アンモニウム 250〜300g
  • 蒸留水 400mL(水道水でも代用可)
  • 青の食紅 少々
  • 小石 数個程度
  • アルミホイル
  • デジタル式のはかり
  • 計量カップ
  • ガラス容器 2〜3個
  • スプーン
  • 湯沸かしポット
  • 湯煎用の鍋
  • ガスコンロ

作り方

▼▼▼動画でもご紹介しています▼▼▼

 

1)リン酸二水素アンモニウムを200g、ガラス容器に入れます。

 

2)蒸留水を400mL、計量カップではかりながらガラス容器に入れます。

 

3)結晶の色を青色にするため、青の食紅を少しだけ加えます。

 

4)ガラス容器を湯煎用の鍋に入れ、鍋の中にポットで沸かしたお湯を注ぎ入れます。

 

5)スプーンで軽くかき混ぜながら、リン酸二水素アンモニウムを完全に溶かします。

 

6)結晶を育てる土台として、ガラス容器の底に小石を何個か入れます。(無くてもOK。)

 

7)アルミホイルをかぶせて、室温まで下がるのを待ちます。アルミホイルをかぶせるのは溶液の蒸発を防ぐため。

 

8)温度が十分に下がったら、リン酸二水素アンモニウムを軽くひとさじ、種結晶(たねけっしょう)として加えます。

 

9)アルミホイルをかぶせて、この状態で1日待ちます。動かさず、静かに放置するのがコツ。過飽和のリン酸二水素アンモニウム溶液に種結晶を加えることで、急速に結晶成長が起こります。

ビフォスファマイトの結晶成長の様子

 

10)さらに結晶を大きくするために、溶液の半分を別のガラス容器に移し、再び過飽和にします。

 

11)追加で加える量は、室温での飽和溶液200mLに対し、8gのリン酸二水素アンモニウム。加えたリン酸二水素アンモニウムを湯煎で完全に溶かします。

 

12)室温まで冷ました過飽和溶液を、元のガラス容器に注ぎます。

 

13)蒸発を防ぐためにアルミホイルをかけ、静置して1日待ちます。この作業を繰り返すことで、大きな結晶を作ることができます。今回は4回繰り返しました。

 

14)結晶が十分に大きくなったら、ガラス容器から溶液を抜きます。乾けば完成。ビフォスファマイトには湿気を吸い込む性質があるので、乾燥した場所に保管しましょう。

結晶はガラス容器にくっついていますので、取り出したい時は容器の底をお湯で少し温めてください。簡単に外れます。

※ 注意:実験に使った溶液は水道に流さず、新聞紙などに染み込ませて、「燃やすゴミ」として捨てましょう。

写真ギャラリー

ビフォスファマイト(リン酸二水素アンモニウム)の人工結晶

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