高校生物で学ぶ光合成色素について、ペーパークロマトグラフィーを使って色素抽出液から個々の色素を分離する実験です。

この実験の前段階に当たる「光合成色素を抽出して吸収スペクトルを観察する実験」はこちらの記事で紹介しています。

 

今回の実験も、以下の教科書を参考にしました。

東京書籍『改訂 科学と人間生活』(東書 科人 306)19ページ「実験B 光合成色素の分離の実験」

実験準備

  • ツツジの葉の色素抽出液(「光合成で用いられる光の色を確かめる実験」で作成したもの)
  • ペーパークロマトグラフィー用のろ紙(幅1.5cm、長さ12cm程度に切ったもの)
  • 試験管(展開管として用いる)
  • 試験管のゴム栓
  • 極細のパスツールピペット(つまようじでも可)
  • 展開液(石油エーテル:アセトン=10:1)※ポリビンに入れておき、使用直前にポリビンのふたをノズル付きのものに替えて使う。

実験方法

① 展開管の底から約1cmの深さまで展開液を入れる。ゴム栓をし、展開の開始までに、試験管内が展開液の蒸気で飽和された状態にする。

 

② ろ紙の下端から2cmのところに鉛筆で線を引き、その中央に×印を付ける。×印の中心に、パスツールピペット(またはつまようじの頭の方)を使って色素抽出液をつけ、原点とする。乾燥させながら繰り返しつけて、原点の色素を濃くする。

原点に色素抽出液をつけたところ

図1.原点に色素抽出液をつけたところ.

 

③ 細長く切ったろ紙を展開管に入れ、ゴム栓をして、色素がスポットに分かれていく様子を観察する。観察は弱光下で行う。

展開管の中で色素がスポットに分かれていく様子

図2.展開管の中で色素がスポットに分かれていく様子.

 

④ 展開液がろ紙の上端近くまで上がってきたら、ピンセットでろ紙を取り出す。展開液が上がってきた先端に、薄く線を引く(これを「溶媒前線」という)。

実験結果と考察

下の図3のように、ツツジの葉の色素抽出液に含まれていた色素は、4つのスポットに分かれた。

ツツジの葉の色素抽出液に含まれていた4種類の光合成色素

図3.ツツジの葉の色素抽出液に含まれていた4種類の光合成色素.

 

ペーパークロマトグラフィーの結果から、ツツジの葉には4種類の光合成色素が含まれていたことが分かった。

またスポットの色と位置関係から、それらの色素は、下から順にクロロフィルa、クロロフィルb、キサントフィル、カロテンである。

 

このうちのキサントフィルとカロテンはカロテノイドと呼ばれ、緑色の光も吸収する光合成色素である。

従って、「光合成色素を抽出して吸収スペクトルを観察する実験」では緑色の光の吸収を確認できなかったものの、目視で確認できないくらい低いレベルでの吸収は起こっていると言える。