海に浮かんだ北極の氷山。
かなりの大きさですよね。
もし北極の氷が溶けてしまったら、その分だけ海の水が増える気がしませんか?
でも、実際にはそんなことはありません。
海水面は上がらないのです。
つまり、「水に浮かんだ氷」が溶けても、水の量は増えないということ。
え、本当?
というわけで、実験で確かめてみましょう。
▼▼▼実験動画はこちら▼▼▼
用意するもの
- ガラスの容器
- マスキングテープ
- 氷
- 水
- アルミホイル
実験の手順
(1)ガラスの容器に氷を入れます。あらかじめ、水面の高さにマスキングテープで印をつけておきます。
(2)容器に水を注ぎます。氷が浮き上がってくるので、全ての氷がぷかぷか浮かんでいることを確認してください。印のところに水面を合わせます。
(3)あとは待つだけですが、待っている間に蒸発しないように、アルミホイルでフタをします。
(4)結果はこの通り。水面の高さは変わっていません。
水が増えない理由
容器の水が増えないのは、氷が溶けて水になるときに、体積が少し縮むからです。
図で説明しますね。
まず、こんな風に水に浮かんでいる氷を考えてください。水面からちょっと顔を出して浮かんでいます。
この氷が溶けると、体積が少しだけ小さくなります。
そして、ちょうど水面下になっていた氷のスペースに、すっぽり収まってしまうのです。
これが、水に浮かんでいる氷が溶けても水面の高さが変わらない理由です。
もっと詳しい解説はこちらの記事をご参照ください。
追加の実験
……いやいや、そんな小さな氷でやってもわからないよ。
水面からちょっとしか出てないじゃん。
というわけで、もっと大きな氷でもやってみます。
(1)ペットボトルで作った特大の氷を容器に入れます。
(2)印のところまで水を入れます。ちゃんと浮いていることを確かめましょう。
(3)アルミホイルでフタをして、ひたすら待ちます。
(4)結果はこの通り。やっぱり水面の高さは変わっていませんね。実験完了です!
もっと知りたい人のためのオススメ本
渡邉克晃『地学博士も驚いた!ヤバい「地球図鑑」』(青春出版社,2021)
※この記事の実験を含め、地学系の簡単な実験がいくつか紹介されています。