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コーラやサイダーなど、シュワっとした爽快感が人気の炭酸飲料。

その起源は今から2000年以上も前の古代ローマ時代と言われており、元々は炭酸ガスを含む冷たい湧き水、あるいは温泉水が飲用されていました。

私たちが飲むほとんどの炭酸飲料は人工的に二酸化炭素を加えたものですが、元祖は天然の炭酸水だったのですね。

 

さて、現在でも世界中で広く飲まれている天然の炭酸水に、南フランス産のミネラルウォーター「ペリエ」があります。

ここで少し、ペリエが生まれた経緯を地質学的に見てみましょう。

 

ペリエの採水地はヴェルジェーズという街で、この辺りは石灰岩が広く分布する地域。

石灰岩の成分は炭酸カルシウムですので、雨水が石灰岩の地層に浸み込むことで、地下の深い場所では炭酸ガスを多く含む地下水が形成されていきました。

今から1億年以上も前、白亜紀という時代のことです。

 

そして、地下深くまで浸み込んだ地下水はマグマの熱で加熱され、地層中に炭酸ガスを放出しました。

こうして生まれた炭酸ガスが、こんどは地層の割れ目に沿って上昇。

その過程で地表付近のきれいな地下水と混ざり合って、炭酸水ができたのです。

ペリエの天然炭酸水は、石灰岩の地層とマグマ活動が生んだ、見事なコラボ作品と言えるでしょう。

 

炭酸ガス入りの冷たい湧き水や温泉というのは世界各地で見られ、それほど珍しいものではありません。

日本でも大分県の長湯(ながゆ)温泉や七里田(しちりだ)温泉が、炭酸泉(二酸化炭素泉)として有名です。

 

大分県の炭酸泉はペリエとは少し形成過程が異なり、地下深くのマグマから放出された二酸化炭素(つまり火山ガス)が、地表付近の地下水と混ざり合うことで形成されました。

これらの温泉水には土壌中の二酸化炭素も溶け込んでいますが、おもな二酸化炭素の供給源は地下のマグマだと言われています。

 

とは言え、ペリエも大分県の炭酸泉も、その形成にマグマ活動が関わっているという点は同じです。

炭酸飲料の元祖、天然炭酸水は、マグマ活動の賜物なのです。

参考文献

ペリエ – 南フランス産の炭酸入りナチュラルミネラルウォーター

たびらい『長湯温泉 日本一と名高い炭酸泉を堪能する

加藤亨延『フランスの有名炭酸水ペリエがわき出ている現場』(2012年7月18日)

山田誠『九重火山に湧出する冷たい炭酸水』日本水文科学会誌47,135-140(2017).

Perrier Quality Report

アサヒグループホールディングス『炭酸飲料はいつから飲まれている?歴史やつくり方をご紹介!』(2019年3月18日)

一般社団法人全国清涼飲料工業会『清涼飲料の歴史